良太、天敵・ポレダ撃ち 初回満塁一掃

 「阪神4-2巨人」(22日、甲子園)

 天敵を打ち砕き、宿敵を眼下に従えた。阪神・新井良太内野手(31)が初回2死満塁から中越えに走者一掃の先制3点適時二塁打。プロ初の巨人戦3打点で過去4戦4敗のポレダに黒星をつけた。連勝で後半戦開幕カードを勝ち越し、勝率を5割に戻してヤクルトと並んで首位タイに浮上した。

 天敵を打ち破るにはこれしかない。心は決まっていた。初回2死満塁。新井良がポレダの初球、低めの146キロ直球をフルスイングした。「満塁でしたし、積極的にいこうと思っていた。(初球を)狙いにいっていた」。気迫にのまれたか、打球判断を誤った中堅・立岡が数歩前へ。打球はその頭を悠々と越し、先制の3点適時二塁打となった。

 もうこれ以上、煮え湯を飲まされるわけにはいかなかった。ポレダとは今季4戦4敗、防御率1・75と散々な目にあわされてきた。新井良自身も3打数無安打。過去の数字より「打席に集中していた」と神経を研ぎ澄ました。

 今季、満塁の場面では6打数5安打9打点、打率・833。現在の打率・194から見れば驚異的な勝負強さだ。

 3タコだった前日に続き、この日もスタメンを告げられた。「今日も使ってもらえた。毎日頑張ろうと思っているが、よりそういう気持ちでやった」。出場54試合のうち、スタメンは10試合目。代打でも常に集中力を保って打席に臨んできたつもりだ。それでも、心の奥底にあるかつての4番の誇りは、オーダーに名を連ねてこそ生きる。1試合3打点は今季初。巨人戦では自身初となった。

 「日頃からの準備」と繰り返し良太は言う。3-0の三回、2死一、二塁から井端の三遊間への強い当たりへ体を目いっぱい伸ばしてダイビングキャッチ。好捕で無失点に抑えた。ベンチにいても、気持ちは試合の中にある。いつも臨戦態勢。その思いが打球への好反応につながった。

 食らわせた先制パンチは、チームを首位タイへと導いた。和田監督は「ここまでポレダに4回やられて5度目の正直というところだね」と胸をなで下ろした。24日からは甲子園でDeNAとの3連戦に挑む。「なかなか結果を出してなかったけど、勝利に貢献する打撃ができてよかった」と新井良。混セは続く。この男の勝負強さはここから生きてくる。

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