ゴメス打点王!虎助っ人記録92打点

 「阪神1-3DeNA」(3日、甲子園)

 決して、4番が白い歯をこぼすことはなかった。92打点で、試合前に並んでいた広島・エルドレッドに1打点差をつけ、リーグトップに立った。さらに虎の来日1年目の助っ人記録(76年・ブリーデン)に並ぶ快挙。それでも阪神・ゴメスは「打点を挙げられたことは良かったけど、チームが負けた」と悔しさをにじませる。

 初回、1死一、三塁で迎えた第1打席だった。カウント1‐1からの内角直球に食らいついた。鈍い打球音を奏でたバットは真っ二つに折れ、白球はフラフラと二塁前方への小飛球になった。

 ただ詰まったことが幸いし、ワンバウンドで捕球したグリエルは併殺をあきらめて一塁へ送球。この間に三塁走者の上本を生還させた。2日に逆転サヨナラ勝ちを収めた流れを引き継ぐ貴重な先制点で、球団史上79年の歴史にその名を刻んだ。

 重圧がかかる4番打者として残した記録。異国の地で1年目から文句なしの働きを見せる要因に、タフな精神力と、絶対に忘れない“原点”がある。

 10代半ばで入校したドミニカのレンジャーズ・アカデミーでは「日本よりも試合数が多い。試合、練習の繰り返し」と語るほど寮生活で野球漬けの日々を送った。19歳でアメリカ行きの切符をつかみ取ったが「やっと来たかという思いだった」と明かしたように、他の選手と比べても遅咲きだった。

 夢と希望を抱いて渡った米国でも、マイナー生活の日々。結果を残しても契約が優先される環境では腐ってもおかしくはなかった。それでもゴメスは「それも野球の一つ。自分は野球が好きだから」と胸を張って言う。

 その原点を忘れないからこそ、どんな苦難にも耐えられる。異国の慣れない環境にもしっかりと適応できる。誰よりも野球が好きだから‐。その心がある限り、ゴメスの快進撃は止まらない。

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