メッセ劇勝呼んだ三振ショー201K

 「阪神4‐3DeNA」(2日、甲子園)

 阪神のメッセンジャーが球史に名を刻んだ。八回鋭く落ちるフォークで、ブランコのバットに空を斬らせた。この瞬間、外国人投手では64年バッキー以来の200奪三振を記録。さらに続く石川はブレーキの利いたカーブで201個目の三振を奪い未知の領域に足を踏み入れた。

 「去年の数字(183個)以上を意識していたので超えられていい気分です。新記録?最高ですね。これからも三振を取る機会を増やしていきたいです」

 試合後、新記録達成を知らされると、目を輝かせた。最速155キロの直球をコーナーに決め、ウイニングショットのフォークとカーブで三振を量産した。この夜も6者連続を含む12三振を奪ったが、意外にも三振へのこだわりは持っていないという。「いつも言っているように、理想は1球で打ち取ること。それ以上はない」。昨季以上のハイペースにも「いっぱい取っている理由が分かればもっと取っているさ。自分でもよく分からないね」とサラリと言う。

 優勝争いの中、記録以上に、チームのサヨナラ勝利がうれしかった。最終回、ベンチで祈るように戦況を見つめ、サヨナラヒットを放った今成を手荒い祝福で迎えた。

 「勝ったので最高の気分です。チームに勝つチャンスを与えることを意識しているのでできて良かったです」

 初回と二回以降のメッセンジャーは別人だった。立ち上がりは、吉本球審の判定にいら立ちを隠せず、2連続押し出し四球。連敗中のチームに重苦しい空気が漂ったが、すぐに気持ちをリセットした。和田監督が「気持ちを切らさず、よく踏ん張ってくれた」とたたえたように、最後まであきらめず逆転勝利を信じた。次回は今季無敗の巨人戦。最強助っ人右腕がチームを逆転Vへいざなう。

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