梅ちゃんでG倒や!前半戦残り全戦先発

 阪神は10日、甲子園で予定されていた広島戦が台風8号接近のため中止となり、全体練習後、11日からの首位・巨人との3連戦に向けて東京へ移動した。首脳陣は新人の梅野隆太郎捕手(23)を前半戦残り全試合でスタメン起用する方針を固めた。6年ぶりの7連勝を演出してきた若き司令塔が、強力打線を誇る王者に挑む。

 若き司令塔が生み出した流れと言っても過言ではない。08年以来、6年ぶりの7連勝と破竹の勢いに乗る和田阪神。その間、全試合でスタメンマスクをかぶっているのが梅野。相手が王者でも、前半戦最後のヤマ場でも、変える要素はまったく見当たらない。

 黒田ヘッドコーチは全体練習後、「そこは梅野の体調次第」と前置きしながらも「残り6戦は先発?基本的にはそう。いけるところまではいく」と明言した。課題があるとすれば連戦に対応するだけの体力、精神力。ここまで最大で4連戦のスタメンマスクはあるが、6連戦となれば初の経験だ。

 1軍の捕手が1試合をフルでリードするためには、相当のタフさが求められる。ファンの重圧と闘いながら配球を考え、チーム全体、試合の流れも読まなければならない。連戦となれば肉体面だけでなく精神面にもダメージが蓄積する。過去に全試合フルイニング出場を果たした捕手が野村、城島の2人だけという歴史が、その事実を物語っている。

 実際に黒田ヘッドも「初めてやしな」と語っており、前半戦最後のヤマ場を乗り切れるかは見極めが必要になる。ただリード面などは確実に成長の跡を見せており、実力的には何の問題もない。序盤から徹底してインサイドを突くリードや、続け球、データの裏をかく配球など随所にプロらしさを見せてきた。

 本人も「アマ時代はここまで(同じ球種を)続けたりすることはなかった」と明かす配球は、他球団からも評価されている。黒田ヘッドも「今はほとんど自分で考えてやっている。だいぶ慣れてきた」と成長に目を細めていた。

 巨人戦でスタメンマスクをかぶればプロ入り初。宿敵は長野、村田らが調子を取り戻してきており、ペナントの行方を占う重要な3連戦となるのは間違いない。それでも梅野は「いつも通りやります」と平常心で臨む。

 首位に立つ王者に、若き司令塔がいかに挑むか‐。大きなヤマ場を乗り越えられれば、自身にとってもチームにとっても確かな“財産”になるはずだ。

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