和田虎、悲惨連敗 両助っ人8タコ

 「交流戦、日本ハム3-1阪神」(31日、札幌ド)

 痛恨の1敗だ。阪神は1‐1の九回2死一塁、3番手の安藤優也投手(36)がミランダにサヨナラ2ランを浴びた。和田豊監督(51)は先手を奪いながら、中盤以降に繰り返した拙攻を嘆いた。今季3度目のサヨナラ負け。8カード連続でカード初戦を落とし、今季2度目の3連敗。交流戦は3勝6敗で、広島と並んで最下位となった。

 悔恨の一撃。巻き戻しが許されない時計の針が恨めしい。右中間に消えた打球。どんなに手を伸ばしても届かない獲物。ただ見送るしかなかった。悪夢の幕切れ。今季3度目のサヨナラ負け。猛虎が北の大地に沈んだ。

 8度目の挑戦も実を結ばなかった。六回、鳥谷の先制打で均衡を破ったが、追加点を狙った再三の好機に主砲・ゴメスが封じられた。同点‐サヨナラで8カード連続の初戦負け。3連敗。交流戦の借金は3に膨らんだ。

 「八回やな。あそこで(点を)取らんとというゲーム」。和田監督が唇をかんで無念の表情を浮かべたシーン。同点の八回、1死一、三塁。ゴメスが二飛。マートンが遊ゴロ。追いつかれた直後の反発力を欠き、3連敗に直結した。

 ゴメスがブレーキ役になった。四回、2死二塁で空振り三振。六回、1死一、二塁でも空振り三振。そして八回も…。得点圏に走者を置いた3度の局面で、勝負強さを発揮できなかった。

 今季53試合目。和田監督はひとつの勝負に出た。3試合連続無安打と本調子を欠く大和を今季初めてスタメンから外した。「大和の状態をどうやって上げようかと」。代役に据えた緒方は六回、鳥谷の先制打を導く右前打を放った。勝負手は吉と出たかに思えたが、女神は手厳しかった。

 「2番(打者)はともかく、上位が元気で塁に出てるだけにね。そこが決めないと…」。機は巡りながら、8タコに終わった両助っ人。頼みの男たちが打てば勝つ。打てなきゃ負ける。ある意味、納得できる敗戦でもあるが、是が非でも連敗を止めたかった一戦だけに、嘆きは深さを増した。

 初戦の重要性を声高に訴えながら、黒星の連鎖を断ち切れない。「初戦を取ろうと思ってやってるんだけど…」。願っても通じない虎将の悲痛な祈り。能見に白星をつけてやれなかった申し訳なさも重なった。泥沼から抜け出せない猛虎。もどかしい。

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