今成のV打消えた…あとアウト3つで

 「交流戦、阪神5-7西武」(28日、甲子園)

 ヒーローになり損ねた。今成が放った勝ち越し適時打は、勝利まであとアウト3つで価値が霧散した。

 同点に追い付かれた直後の八回2死一、三塁。増田が投じた内角高め、ボール気味の147キロを振り抜くと、ライナーが二塁の頭上を越えた。

 「(走者を)かえすしかなかったので、思い切りいった」。5月17日のDeNA戦以来8試合ぶりの適時打で勝ち越し点をたたき出すと、一塁を回った所で右拳を握りしめた。

 適時打以外でも価値ある働きを見せた。27日のロッテ戦で今季初の2番で起用され、2試合連続となる2番で先発。七回無死は中前打を放ち、今季7度目のマルチ安打も記録した。

 クリーンアップへつなぐ重要な役割だが、「鈍感なので感じていない。打順はあるけど、打席に立ったら打つことに変わりはないので。どの打順でも状況に応じた打撃をするだけ。2番だから、ということはない」。気負わず普段通りのプレーで結果につなげた。

 3、4月は打率・233と低調だったが、5月は57打数21安打で打率・368と好調を維持している。「次回に期待してください」。猛虎の元気印は、敗戦の中でも前を向き続けた。

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