マートン正当性を主張…1試合出場停止

 「ヤクルト9‐0阪神」(15日、神宮)

 NPBの加藤良三コミッショナーは15日、ヤクルト‐阪神(19)戦(神宮)で暴力行為により退場処分を受けたヤクルトの相川亮二捕手(37)と阪神のマット・マートン外野手(31)に、ともに厳重注意と制裁金15万円を科し、今季2度目の退場処分となったマートンには1試合の出場停止とした。

 試合は散発6安打で2試合連続、今季21度目の完封負け。これで6カード連続負け越しとなり、3位・広島とのゲーム差は6・5となった。

 マートンは神妙な面持ちで処分を受け入れた。納得できない部分はまだ、心の中に残っている。一切、手を出していないのに科された2度目の退場処分。それでも「理解はしている。2度目だから出場停止という処分が出たのかなと思う」と冷静に答えた。

 開幕から126試合、すべてでスタメン出場を続けてきた助っ人。全試合出場の記録も途切れてしまったが、個人記録よりも「きょうの試合に出られなくて、勝ちにいかなければならない中でチームに迷惑をかけてしまう。それがつらい」と苦しい胸の内を吐露した。チームの調子が上がらない中、試合前の時点で唯一の3割打者が先発から外れてしまう事実。攻撃の核を失ってヤクルト戦に臨むチームに、あまりにも重い空気が充満した。

 前日、物議をかもした本塁突入のプレーについては「ああいう状況で(相川に)向かってこられたのはどうかなと思うけど、気に入らないとか、そういう感情を持ってプレーしたことはない。タイガースに契約してもらった以上、中途半端なプレーはしたくないし、ファンのため、チームのために全力でプレーする」と正当性を主張。審判団もルール上、問題がないプレーとの見解を示していた。

 だからこそ「何でもかんでもぶつかるつもりではないことを理解してほしい」と訴えた。「例えば昨日の状況で、捕手が弟だったとしても当たりに行って点を取る。それが兄弟であろうと、誰だろうと、本塁上にいたら当たっていく。ボールを離さなかった相川さんはさすが」と力を込める一方、「もちろんホームがあいていればぶつかりに行くことはない」と言う。

 四藤球団専務は「必死にプレーした結果だと判断している」と助っ人を擁護した。出場停止の処分については「マートンにそのつもりはなかったけど、そこは審判の判断。マートンには気の毒やと思う」と抗議はしない方針。過去の因縁や感情のもつれから発展した乱闘の代償は、あまりにも大きかった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス