能見“激情降板”のリベンGで9勝目

 「阪神8‐4巨人」(6日、甲子園)

 クラブハウスに戻る直前、緊張の糸をスッと緩める。マウンドでは変わらない表情が柔らかく崩れた。「うれしい、うれしい」。会心の笑顔に実感がこもる。阪神・能見の頭上に久々の白星が輝いた。

 「だいぶ費やしたけどね、ボール(球数)を。(試合途中に)高めにいきかけてたけど、しっかり腕を振ろうと。低めを意識して投げました」

 7回2失点で、120球を要した9勝目。巨人打線に細心の注意を払った結果だ。三回まで無失点に抑え、四回に高橋由に2ランを浴びたが、その後もリードを守った。7月9日の中日戦(那覇)以来の勝利で、甲子園では6月8日のロッテ戦以来のこと。この試合に強い気持ちで挑んでいた。

 前回、8月29日の巨人戦では、1点リードの九回無死一、三塁から坂本に同点の左邪犠飛を許した。左翼線沿いの微妙な当たりをマートンが捕球しての失点。そこで降板となると、ベンチのイスを蹴り、グラブをたたきつけた。珍しく表に出した感情。勝利への気持ちの表れだった。

 「あの試合に懸けていた。マートンとかは関係ないよ」

 チームが連敗で迎えた一戦、白星から遠ざかっていた日々、自分への悔しさ…。決してマートンへの怒りなどではない。チームの勝利への思いがすべてだった。

 和田監督が「この一勝を機にどんどん勝ってほしい」と評した勝利。能見は「清水もよくがんばってくれたから」と感謝を忘れなかった。怒りや苦しみを乗り越え、ようやく笑えた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス