能見、投打で奮闘しエースの意地見せる

 「阪神2‐3巨人」(2日、甲子園)

 ラッキーセブン直前、ファンの悲鳴とともに、勢いのないジェット風船が宙を舞った。打球の行方を見届けた阪神・能見は、しばしマウンドで立ち尽くした。1点リードの七回だ。2死から中井にこの試合3本目の安打を浴びると、坂本に決め球のチェンジアップを拾われ、痛恨の同点適時打を浴びた。

 「打たれたのはしょうがないです」

 試合後、足早にロッカールームへと向かったエースは、淡々とこう振り返った。

 この試合前まで、能見は今季の巨人に対して2勝1敗、防御率1・88。抜群の相性を誇る宿敵との首位攻防戦は、文字通り白熱した展開になった。

 まずバットで聖地を沸かせた。0‐0の二回。快音を残した打球は大歓声の中、中堅手・長野の頭上を軽々と越えていった。「打者・能見」の先制二塁打。自身今季6本目の安打。クールな左腕は二塁ベース上で激しく手を叩き、喜びを表した。

 立ち上がりから走者を背負った。初回2死一、二塁では、村田を胸元への鮮やかなクロスファイヤーで見逃し三振に仕留めた。大観衆の声援を力に変えて、序盤は何とか踏ん張り続けた。だが中盤以降につかまった。

 悔やまれるのは失点がいずれも2死からということだ。初めて連打を浴びた五回2死一塁の場面では、坂本の右翼線に上がった打球が二塁打に。中井は一気に本塁生還。不運な形で1点を失った。七回も2死から中井、坂本に連打を浴びた。11安打を許しながら、8回を2失点。打線が追加点を奪えない中、能見はマウンドでエースの意地を示し続けた。

 白星はつかめなかったが、決してその力投が色あせることはない。和田監督も「ここ何試合かと遜色ない投球だった。しっかりゲームをつくってくれた」と評価した。3日はルーキー藤浪が伝統の一戦に臨む。自分は勝ちきれなかったが、巨人戦初先発のルーキーへ、十分なお手本を示した。

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