藤浪、夢舞台へ!ファン投票首位発進

 マツダオールスターゲーム2013のファン投票の中間発表が3日に始まり、阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(19)=大阪桐蔭=がセ・リーグ先発投手の1位となった。また、両リーグ最多得票はセの二塁手の西岡剛内野手(28)で2万6086票を集めた。

 超一流選手だけが集う夢舞台のマウンドに藤浪が立つ。集まった票数は1万2325票。スーパールーキーへの期待の大きさが票数に表れた。オールスターファン投票中間発表で尊敬する広島・前田健、同じルーキーで5勝を挙げる巨人・菅野を抑え、セ・リーグ先発投手部門トップに立った。

 第一声は「実力に比例していない結果だと思います」と謙虚に感想を語った。それでも投票してくれたファンへ恩返しの投球を誓った。

 「それだけ多くのファンの方が自分に投票してくれたのは、すごくありがたいことですし、もし出場できるのなら、ファンの方の期待に応えられるようなプレーをしたいと思います」

 忘れられない球宴のシーンがある。06年、阪神のストッパー藤川(現カブス)が西武の4番・カブレラ(元西武)に向かってマウンドでストレートの握りを示して速球勝負を“予告”。そして宣言通り、オール直球で勝負を挑んだ。カブレラもフルスイングで応えた。ホームランか三振か‐。

 結果は空振り三振で藤川が勝った。まるで、劇画のようなガチンコ勝負に当時、小学6年生だった晋太郎少年も胸を躍らせた。「だからと言って自分がするわけではないですよ」。夢の舞台に選ばれれば、あくまで自然体で臨むつもりだ。

 球宴ならではの楽しみもある。前田健ら他球団のエースと「お話しする機会があれば勉強になると思いますし、いろいろ聞きたいと思います」と積極的に話しかけ、自身のレベルアップにつなげようと考えている。

 また、同じく選出されれば、ライバルの日本ハム・大谷との対戦も注目を集める。大谷は現在パの先発投手部門8位、同外野手部門4位と出場圏内ではない。だが、藤浪は5月26日のプロ初対決では3打数2安打された。「次はしっかり抑えたい」と話しており、球宴でリベンジを果たしたい思いもある。

 練習後にはサプライズが待っていた。球場を訪れていたソフトバンクの王会長と初対面。深くお辞儀した後、握手を交わし「昨日はナイスピッチングだった」とねぎらいの言葉をかけられた。

 高卒新人のファン投票での出場となれば、チーム史上初の快挙。シーズンでは、チームの勝利を最優先に考える藤浪が、球宴ではどんな投球を見せてくれるのか。ファンの楽しみがまた1つ増えた。

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