鳥谷先制&同点打も“打点神話”止まる

 「交流戦、阪神4‐7楽天」(28日、甲子園)

 勝敗にかかわらず、いつもなら淡々と取材に応じる階段を駆け上がった。阪神・鳥谷が、報道陣を寄せつけない速度でロッカールームへ消えた。何も話したくない。厳しい表情がそう物語っていた。

 キャプテンの神話が途絶えた。勝利目前で悪夢が待っていようとは…。最後の打者も鳥谷だった。九回2死走者なしで、二飛に倒れ試合終了。2度刻んだ勝利をたぐり寄せるはずの打点が、スコアボードにむなしく残った。今季は鳥谷が打点を挙げた試合は10連勝中だった。この日も三回に開幕7連勝中の田中から左中間に先制の二塁打を放ち、逆転された七回には3番手の小山伸から同点打を右前へ運んだ。

 「絶対に追いつきたかった」。試合中、球団広報を通じて発したコメントから、クールな主将の強い気持ちがにじみでた。勝てば巨人に肉薄した一戦。試合後のキャプテンは悔しさを言葉にできなかった。

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