新井、坊っちゃん弾で交流戦へ弾み

 思い出深い「坊っちゃん」生誕の地で、でっかいアーチを再現する。9日、チームとともに空路、東京から松山入りした阪神・新井貴浩内野手(36)が交流戦前最後の3連戦で連勝締めを誓った。前夜の巨人戦で連続本塁打が3試合で止まったが、相性抜群の地で仕切り直しを狙う。

 「坊っちゃん」と聞けば、気持ちは高ぶる。11年前に球宴初アーチを放った城下町は新井兄にとって特別な地。ホームラン打者が勢ぞろいした祭典で、唯一スタンドに突き刺した弾丸ライナーは鮮明な記憶として残る。

 「初めて出場したオールスターが松山だった。清原さん、松井さん、中村ノリさん、福留らが出場していた中で、自分だけホームランを打てたことは自信になった」

 02年7月13日のオールスター第2戦。初選出された広島在籍時代の新井は、七回に日本ハムの隼人から坊っちゃんスタジアムの左中間席へ球宴第1号を放った。当日は中堅から本塁方向へ暴風が吹き荒れ、セ・パの大砲が打ち上げる本塁打性の打球がことごとく跳ね返された。そんな悪条件下でも新井の弾道は逆風を突破。本塁打の前打席にも2安打するなど、4打数3安打と大暴れした。

 同年は球宴直前の7月10日に広島の松田耕平元オーナーが他界。思い出の1本は「かわいがってもらった。恩返しをしないといけない」と、涙ながらに奮起した弔いアーチでもあった。

 松山との好相性はお祭り舞台にとどまらない。坊っちゃんスタジアムでの公式戦通算成績は過去11試合で40打数14安打1本塁打。打率・350を誇る縁起のいい球場だけに、今遠征でも好調の打棒に期待が高まる。

 「敵地で巨人に3つ勝てたことは大きい。交流戦まで3試合。いい形で勝って勢いをつけたい」。昨年発症した右肩後方関節唇(しん)損傷は、オフの地道なリハビリによってフルスイングで痛みが伴わないレベルまで回復した。2・5ゲーム差の首位巨人を猛追するためには、新井の奮起が不可欠だ。お兄ちゃんが「坊っちゃん」の主役を演じる。

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