虎打線手も足も出ず…マエケンに脱帽

 「阪神0‐5広島」(1日、甲子園)

 手も足も出なかった。右上腕三頭筋膜炎から復帰登板となった広島・前田健に抑え込まれ、リリーフ陣もとらえられず、阪神は今季5度目の完封負けだ。勝てば今季最多の貯金4だったが、5度目の挑戦も失敗。甲子園で今季初のカード負け越しで、4月23日からの9連戦も4勝5敗と負け越した。マエケンのような相手エースを見事に粉砕する、そんな強い虎を次こそみたい。

 肌を刺す冷たい夜風が身に染みる。5月初戦。聖地を包んだ季節はずれの寒さ。試合は凍った。今季5度目の完封負け。5安打。得点圏に走者が進んだのはわずか1度きり。病み上がりのマエケンに、猛虎の進撃は封じ込まれた。

 三回に奪われた4点が、負のデータを映し出す。タテジマの頭上を覆った黒雲。28戦中、先制した試合は12勝2敗の高勝率を誇るが、逆に先制された試合は、3勝10敗と苦戦を物語る数字が並ぶ。そして、この夜も…。

 四回の攻撃前にベンチ前で組まれた円陣。輪の中心で水谷チーフ打撃コーチが声を張った。1死後、マートンが中前打で出塁したが、福留、新井が続かず、スコアボードに無情のゼロが並び続けた。

 マエケン・アレルギーは深刻だ。7回2安打、無失点に抑えられた先月7日の前回対戦。リベンジを期した今回も、7回4安打、無得点。「真っすぐが打てんのやから、ああやって体が開いてしまうわな」と水谷チーフ打撃コーチの嘆きが選手通路に響いた。

 5度目の挑戦も実らなかった。今季最多の貯金4をかけた一戦。目の前に立ちはだかるカベに、またしても阻まれた。不思議なジレンマ。目視できない障壁が、タテジマの歩みを止めさせた。

 「立ち上がりはあんまり良くなかった。4点で配球も変わって、腕も振れだした。こういうピッチャーを打っていかないと乗っていけない。マエケンだけじゃなく、ヨソのエースクラスを打っていかないと。しっかり対策を練っていきます」と和田監督。策の打ちどころはなかった。虎将は潔く完敗を認めつつ、再戦に目を向けた。

 4勝5敗に終わった9連戦。本拠地で戦った最終カードで初の聖地負け越しの憂き目も味わった。募る思いは悔しさの方が喜びを上回る結果となった。

 「一進一退で、負けて勝っての繰り返し。なんとか踏ん張ったのか、それとも乗り切れなかったのか、どうとも取れる展開だった」。勝てる試合があった。星ひとつが境界線を分けた。3日からのヤクルト戦で仕切り直す。薫風そよぐ我が庭で、黄金週間を白星で彩る。

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