榎田プロ初先発で堂々8回2安打自責0

 「阪神0‐1中日」(4日、京セラ)

 待ち望んだプロ初先発のマウンド。新たな挑戦へ阪神・榎田は最高の第一歩を踏み出した。「緊張もなく冷静に投げられた」。らしさを存分に発揮した8回103球だった。

 緩急自在の投球で中日打線を翻弄(ほんろう)した。初回、打者3人にはいずれも変化球から入った。初球から甘い球を逃さない難敵に的を絞らせない。六回2死まで無安打投球だった。

 「できすぎたぐらい。真っすぐもしっかり投げられた。カウントを取るスライダーやチェンジアップも有効に使えた」

 緊迫した投手戦でも冷静さを失わなかった。六回、2死から大島に、左翼線にライナー性の打球を打たれた。懸命にダイブしたマートンが届かず初安打が三塁打に。それでも表情を変えず、くせ者・荒木を低めの変化球で遊ゴロに打ち取り得点を許さなかった。

 完封ペースが八回、一転する。先頭の森野に左中間二塁打を浴びる。犠打を決められ1死三塁となった。

 外野フライも許されない場面で「中継ぎでやってきたことが生きた」。昨季まで2年間で100試合以上に登板。幾度も虎の窮地を救ってきた左腕。松井佑をど真ん中の直球で見逃し三振に仕留め、マウンド上でほえた。続く代打・平田は三塁へのゴロに。新井良の一塁への悪送球で先制点を奪われたが、大島を空振り三振で追加点を許さなかった。

 3月12日の2軍教育リーグ登板後、鳴尾浜で久保コーチから、プレートの三塁側を踏んで投げるようアドバイスされた。やってみると、腰をうまく回転させることができるようになった。肘への負担も感じない。昨年、左肘の遊離軟骨除去手術をした榎田に、この投球スタイルが見事にはまった。

 初先発で8回を投げ、自責点0。和田監督は「ナイスピッチング」と称賛した。白星をつかめなかったことだけが心残りだ。それでも「先発・榎田」の姿は虎党のハートをつかんだ。役割が変わっても、背番号13への期待は不変だ。

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