新十両佐藤、初日から8連勝史上6人目
「大相撲夏場所・8日目」(15日、両国国技館)
貴乃花部屋の新十両・佐藤(19)が天風をはたき込んで土つかずの8連勝。中日勝ち越しを決めた。新十両の初日から8連勝勝ち越しは、15日制になった49年夏場所以降では昨年名古屋場所の御嶽海以来6人目の快挙で、過去5人はすべて十両優勝を果たしている。幕内では横綱白鵬が新関脇琴勇輝を押し出して41度目のストレート給金。大関稀勢の里も嘉風を押し出し、中日勝ち越しを決めた。
抜群の相撲センスが光った。佐藤は立ち合い右でまわしを取って相手を崩そうとしたが、通用しないと見るや、瞬時に作戦を得意の突っ張りに変更。こん身の突きで体重203キロの天風の上体を起こし、機を見て右からはたき込んだ。
新十両場所で初日から8連勝は昨年名古屋場所の御嶽海以来。「緊張せず相撲が取れた。場所前は不安があったけど、やることはやった。とりあえず勝ち越せてうれしい」と興奮気味に振り返った。
優勝22回の師匠・貴乃花親方(元横綱)のひと言ひと言が大きな力になっている。今場所は毎日部屋を出る前に「負けてこい!」との言葉を背に出陣している。「自分が変に緊張しないようにとのお心遣いだと思っています」と感謝した。
関取になれば場所への往復はタクシーが相場だが、東京都中野区の部屋から往路はタクシーも復路はJR総武線を利用している。「まだお金もないし、今は番付を上げることが先です」と足元を見据えた。
新十両で8連勝した過去5人はすべて優勝を果たしている。残り7番も勝って、10代の全勝優勝なら32年の大浪(当時は8番)以来84年ぶり。「もちろん、このまま走っていって、全勝優勝したい」。怖いものなしの若武者は前だけを向いた。





