白鵬、右脇腹肉離れなんの独走26度目V

 「大相撲名古屋場所13日目」(19日、愛知県体育館)

 横綱白鵬が大関琴欧洲を寄り切り、全勝を守るとともに2敗の碧山が敗れたため、3場所連続26度目の優勝を決めた。優勝回数は、大鵬、千代の富士に次ぐ歴代単独3位、外国出身力士としては朝青龍を上回り単独トップに立った。13日目の優勝は5回目となり、千代の富士の4回を抜き、1949年初場所から15日制が定着して以降では単独最多記録を樹立。連勝は43に伸ばした。大関稀勢の里は来場所の綱とりに望みをつなぐ10勝目を挙げ、敗れた横綱日馬富士はまたも2ケタ勝利に届かない危機に立った。

 万全ではない。それでも強い。白鵬が26回目の優勝を決めた。琴欧洲に対し立ち合いからすぐ左に動き、とったり。距離をとって頭をつけ、押し戻されたが再び左に動いてとったり。横について攻め、最後は右四つから力強く寄り切った。

 勝負が決した瞬間、痛みに耐え、顔をゆがませた。背中からヘソの横まで、テーピングが幾重にも施された。前日に琴奨菊のかち上げで右脇腹を肉離れ。「今場所は長いようで早かった。大したケガではありません。本当に相撲で勝負をつけたい、その辺りが出ました」と、静かに喜んだ。

 師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「(11日目に)鶴竜とやった時に違和感が出た。取組後は痛くて息もできないようだった」と説明した。

 場所前は幕内上位と一度も肌を合わせなかった白鵬。稽古不足が指摘されたが、以前に「今は関取との稽古がすべてではない。はっきり言うと、しこ、すり足、てっぽうだけでいい。相手をイメージしながらね。(この境地は)横綱になって何年もたってからね」と、漏らした自信があった。

 稽古不足からの不安説、体の故障に見舞われながらの独走劇。13日目での優勝回数で新記録も樹立し「負けるか負けないかの相撲が続いて、途中から良くなったね」と、納得した表情だった。

 モンゴルの同郷で入門が1年先輩の元幕内、三段目の龍皇がこの日、今場所限りでの引退を表明。白鵬は支度部屋で花束を手渡し「同じ時代を過ごした者が、同じ時に一人が引退、一人が優勝。不思議な一日でありました。優勝をプレゼントした感じ」と感慨を口にした。盟友に送別の優勝を届けた。次はもちろん全勝で、優勝の価値を一層高めるつもりだ。

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