千代大龍、自画自賛の相撲で稀勢撃破

 「大相撲名古屋場所5日目」(11日、愛知県体育館)

 綱とりの大関に致命的な黒星を付けた千代大龍が、してやったりの表情を見せた。立ち合いで左からかち上げて稀勢の里を押し込むと、さらに左から喉輪でのけぞらせる。完全にペースをつかむと、右に体を開いて思い切りよくいなし、相手の体勢を泳がせて送り出した。

 「立ち合いではじいたのが良かった。突いていなして、引いていなして、先に動いて相手に何もさせなかった。勝ててうれしい」と自画自賛。実は朝稽古後のちゃんこの時間に、立ち合いで相手をはじくと宣言。師匠の九重親方(元横綱千代の富士)から「やってみろ」とゲキを飛ばされていた。

 宣言通りの内容で大関を破り、自己最多となる7本の懸賞を獲得。婚約者の角野智香さんが来年1月に出産を控えており、「出産の費用にします」と思わずニンマリ。序盤を終えて4勝1敗と好調。両横綱との対戦も残っており、名古屋場所の台風の目になりそうな勢いだ。先場所の千秋楽に敗れて逃した三賞、そして1999年7月の千代天山以来となる九重部屋からの新三役力士の誕生へ。千代大龍がさらに暴れ回る。

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