高安、平成生まれ初の金星 土俵際逆転

 「大相撲春場所3日目」(12日、ボディメーカーコロシアム)

 高安が“荒れる春場所”を演出した。横綱日馬富士に土俵際まで攻め込まれたが逆転の突き落とし。平成生まれとして初の金星を手にした。横綱白鵬は栃ノ心を上手投げで下し3連勝。大関陣は稀勢の里が小結安美錦を下し連敗をまぬがれたものの琴欧洲、琴奨菊は連敗。鶴竜も敗れ2日目に続いて3大関に土がついた。全勝は白鵬と関脇把瑠都の2人となった。3日目で全勝が早くも2人だけとなったのは1999年春場所(貴乃花、千代天山)以来14年ぶり。

 “荒れる春場所”だ。土俵に座布団の嵐を巻き起こしたのは高安だった。立ち合いで日馬富士を右でかち上げ、防戦一方になったが、左足が俵にかかると同時に執念で右に突き落として逆転。会場を包んだ異様な熱気の中で、表情を変えず16本の懸賞をつかみ取った。

 平成生まれの力士として史上初めて金星を手にした23歳。「ちょっと実感はわかないです。体勢は悪かったけど、あきらめなくてよかったです」。支度部屋でも表情を緩めなかった。

 平幕の力士が横綱をかち上げるのはタブーとされる。だが「気持ちで折れたら体がついていきませんから」と遠慮はしなかった。11年11月に死去した先代鳴戸親方(元横綱隆の里)は、稽古場でも本場所同様の相撲内容を求めた。兄弟子稀勢の里の顔にも両手突きを見舞ったこともある。亡き恩師の教えを胸に金星につなげた。

 場所前の3日、日馬富士が出稽古に訪れた。だが、横綱のお目当てだった稀勢の里が負傷。「いつでもいける準備をしていた」という高安が、代役に指名された。申し合いは3勝14敗だったが本場所で恩返し。「そういうのも結果として表れていると思う。すごく自分のためになりました」。稽古への真摯な姿勢。それが高安という男だ。

 勝ち越せば、平成初の三役も視界に入る。「自信になる。大阪場所を盛り上げたい」。若武者が巻き起こした嵐は収まりそうにない。

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