琴勇輝、香川県出身54年ぶり新入幕

 日本相撲協会は24日、大相撲初場所(来年1月13日初日・両国国技館)の新番付を発表した。九州場所で9勝を挙げた香川県小豆島出身の琴勇輝(佐渡ケ嶽)は、西前頭15枚目に上がった。県勢では1958年九州場所の若三杉(改め関脇大豪)以来、54年ぶりの新入幕を果たした。突き押しに徹する21歳の若武者に、佐渡ケ嶽親方は「琴桜になれ!!」とゲキを飛ばした。

 新しい番付を手にした琴勇輝は、喜びにあふれていた。1958年九州場所の若三杉(元関脇大豪)以来、香川県出身力士では54年ぶりの新入幕。「本当に目標としてきた位置なので、うれしい気持ちでいっぱいです」。西前頭15枚目に刻まれたしこ名を見つめながら、21歳の若武者は笑った。

 目標にする力士がいる。先代師匠の元横綱琴桜だ。会見に同席した佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「先代のように相手構わず、どんどん前に出ること。見ていて気持ちのいい相撲を取ってほしい」と期待を口にした。

 “猛牛”と呼ばれた琴桜は、突き押しに徹した相撲で5度の優勝を果たした。鋭い立ち会いから前へ前へ。引くことは良しとしない。その潔いスタイルが、琴勇輝の最高の手本となる。入門当初から、琴桜の相撲はビデオで研究してきた。

 「一気にもっていく相撲。ああいう相撲を取っていれば負けない。目指したい」

 175センチと体は決して大きくないが、豊富な稽古量で番付を上がってきた。毎日、腕立て伏せとてっぽうを500回、四股を300回。自らノルマを課してコツコツと地力をつけてきた。部屋には琴奨菊、琴欧洲の2大関がいる。「1日でも早く追いつきたい」という思いで、兄弟子に胸を借りてきた。

 地元から届く声援も大きな力だ。10月に小豆島で行われた秋巡業「オリーブ場所」は、まさに琴勇輝一色だった。「想像以上に盛大だった」。熱い激励を受けて迎えた九州場所は、1勝6敗から怒とうの8連勝。9勝6敗として新入幕を確実にした。

 1967年春場所で大豪が十両に陥落して以来、香川県出身の幕内力士は全国最長の45年間不在だった。「応援してくれる人のおかげで力を発揮できる。喜んでもらえる相撲をどんどん取りたい」。琴桜を目標に突き進む長い道のり。これから何度も何度も、故郷に朗報を届ける。

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