江戸期の庶民食、ミネラル豊富 和本に混ざった毛髪を分析
江戸-明治時代の庶民の食生活は、現代に比べてカルシウムや鉄などのミネラルが豊富だったとの研究結果を、龍谷大などのチームが11日までに英科学誌に発表した。当時出版された古い和本に混入していた人間の毛髪に着目し、含まれるミネラルの濃度を分析した。海産物やぬかが残った米を中心とした食生活の影響と考えられる。
チームの丸山敦龍谷大教授は「当時の日記などに残っているのは高貴な人々の豪華な食事や珍味が多い。記録に残りづらい庶民の日常的な生活を、科学的なアプローチで解明できた」と話す。
毛髪は、和本の表紙に使う紙をすく際に、補強する材料として混ぜられたという説がある。チームは、龍谷大の図書館などが所蔵する約7万冊のうち、印刷された都市と時期が特定できる約400部から毛髪を採取した。ほとんどが17世紀中ごろ~19世紀末に現在の東京、大阪、京都の3都市で出版された。
毛髪の成分を分析した結果、魚に多く含まれているカルシウムや鉄、マンガンなどの濃度が現代よりも高かった。現代の日本人では不足しがちな栄養素だという。
