「気にしすぎ」その一言で妻激怒 妻の愚痴をきちんと聞けない夫たち 不用意な一言が夫婦関係を冷戦状態に叩き落す【夫婦関係修復カウンセラーが解説】
日常の何気ない出来事や仕事の愚痴を話した際、夫から「こうすればいい」「気にしすぎだ」と正論やアドバイスで返され、不満を募らせる妻は少なくありません。夫側に悪気はなく、良かれと思って解決策を提示しているつもりでも、妻にとっては「気持ちを分かってくれない」と逆効果になり、激怒や冷戦状態を引き起こす原因となります。
なぜ夫は愚痴に対して正論で返してしまうのでしょうか。男女のコミュニケーションギャップや良好な関係を保つコツについて、夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を伺いました。
■一言で言えば他人事だから
ー妻の愚痴に対し、なぜ夫は正論やアドバイスで返してしまうのですか?
一言で言えば「他人事」として捉えているからです。男性は過程を飛び越えて結論や解決策だけを求めがちな思考特性があり、妻の愚痴に対しても「解決策がほしいのだろう」と思い込んでしまいます。
そのため、妻の感情に寄り添うことなく、表面的な情報だけをすくって「こうすればいい」と評論家のように返してしまうのです。相手の立場に立ち切れておらず、他人事として見ていることが根本的な原因です。
ー「気にしすぎ」「そんなことで怒るな」という言葉が妻を激怒させる理由は?
妻は解決策ではなく、単に自分の気持ちや大変さを「聞いてほしい」「分かってほしい」だけであり、正論や宥めの言葉を求めているわけではないからです。
それにもかかわらず「気にしすぎだ」などと返されると、他人事扱いされた上に自分の感情そのものを否定されたと感じてしまいます。妻からすれば「この人は私の気持ちを理解しようとしない」と失望し、怒りや悲しみが込み上げてくるのです。
ー話を聞かない夫への不満の積み重ねは、将来にどんなリスクをもたらしますか?
「どうせこの人は私の気持ちを一生理解してくれない」というあきらめと失望が定着し、心の距離が完全に離れてしまいかねません。日々の愚痴や相談に対する他人事のような対応が積み重なると、妻は夫に心を閉ざし、会話のない冷ややかな冷戦状態へと陥ります。
この蓄積が子育て終了後や老後における「熟年離婚」などの重大な亀裂へ発展するため、小さなすれ違いと甘く見るのは禁物です。
ー妻を怒らせず良好な関係を保つために、夫はどんな姿勢や言葉で話を聞くべきですか?
解決策を提示するのをやめ、途中で話を遮らず最後まで聞き切る「同意」「共感」「承認」の姿勢が不可欠です。解決策が必要なら妻自身でとっくに実行しています。
途中で口を挟まず、「そうか、それは大変だったね」「本当はどうしたいと思っているの?」と気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。話を聞いてもらえた満足感と承認が得られれば、妻のストレスは解消され円満な関係が保たれます。
◆木下雅子(きのした・まさこ) 行政書士/心理カウンセラー
大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
