海を隔てて約20km 神戸『中埠頭駅』と大阪『中ふ頭駅』 2つの“なかふとう駅”意外な共通点とは

関西には中埠頭駅と中ふ頭駅が存在します。グーグルマップによると、両駅は直線距離にして約20kmしか離れていません。しかし、両駅の間には大阪湾があり、心理的には遠く感じます。あまり注目されることのない2つの「なかふとう」駅に共通点はあるのか、実際に確かめることにしました。

■地味だが、運行には欠かせない中埠頭駅

神戸新交通ポートライナーの中埠頭駅は神戸市の人工島、ポートアイランドの東側にあります。開業年はポートライナーの開業と同じ1981年です。中埠頭駅は神戸空港へ向かうルート上にはないため、神戸空港利用者にとっては馴染みが薄い駅かもしれません。

しかしながら、ポートライナーの運行にとっては欠かせない駅です。中埠頭駅からはポートライナー唯一の車庫、中埠頭車両基地まで至る引き込み線があり、朝ラッシュ時終了後や深夜時間帯には三宮駅から中埠頭止まりの列車が存在します。駅東側には神戸新交通の本社ビルがあり、同社の社章が見られます。

ところで、中埠頭駅には「ジーベックホール前」という副駅名があります。副駅名になっている株式会社ジーベックは音響機器メーカーのTOAの子会社です。TOAは駅の自動放送を作成する音声合成ソフトのメーカーでも有名。そんなTOAの本社も中埠頭駅前にあります。

少々話が脱線しましたが、ジーベックホールは300名収容のジーベックホールと、80名収容のジーベックスタジオを備えています。

■インテックス大阪の最寄駅なのに知名度が低い中ふ頭駅

Osaka Metroニュートラムの中ふ頭駅は大阪市の人工島、咲州にあります。ポートライナーは「埠」を漢字で表記しますが、ニュートラムはひらがな表記です。「埠」は常用漢字ではなく、当時の大阪市交通局が常用漢字外の漢字を避けた格好です。

中ふ頭駅の開業年はニュートラムの開業と同じ1981年です。ニュートラムは長らく住之江公園~中ふ頭間だったため、中ふ頭駅は終着駅でした。コスモスクエア駅への延伸は1997年のことです。駅西側にはニュートラムの車庫、南港検車場があります。現在も、朝ラッシュ時終了後と夕方~深夜時間帯にかけて、住之江公園駅から中ふ頭止まりの列車があります。

中ふ頭駅は関西を代表する国際展示場、インテックス大阪の最寄駅でもあります。インテックス大阪のパンフレットには、中ふ頭駅まで徒歩約5分と書かれています(実際に展示場屋内から歩くと10分ほど歩きますが)。しかし、中埠頭駅とは異なり、副駅名はありません。そのせいか、インテックス大阪に来る度に、関東の知人から最寄駅を尋ねられます。

■意外と多い共通点

中埠頭駅と中ふ頭駅の間にはいくつかの共通点が存在します。まず、両駅とも新交通システムの駅です。1980年代から、ベイタウンエリアへの路線には新交通システムが採用された経緯があります。次に、共に車庫に関係する駅であることです。

最後に、集客施設の最寄駅である点が挙げられます。興味深い点はインテックス大阪よりも規模が小さいジーベックホールにちなんだ副駅名がありますが、インテックス大阪側にはないことです。

インテックス大阪ではコスモスクエア駅の利用も推奨しています。副駅名がない背景には、中ふ頭駅への集中を防ぐ意図があると思われます。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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