【秋の肌荒れ・かゆみ】花粉皮膚炎と夏バテ肌、違いはどこ?

夏の終わりから秋にかけて、顔のかゆみや肌荒れを感じる人は少なくありません。しかし、その症状はもしかすると「秋の花粉」が原因かもしれません。皮膚科・形成外科を専門とするアイシークリニック(医療法人社団鉄結会)が実施した「秋の肌荒れと花粉皮膚炎」に関する意識調査では、秋の肌荒れを経験した人の多くが原因を「夏バテ」や「季節の変わり目」と考えている一方、「花粉皮膚炎」の認知度はわずか約2割にとどまることが明らかになりました。

調査は、秋(8~10月)に顔の肌荒れやかゆみを経験したことのある全国の20~60代の男女300人を対象として、2026年8月にインターネットで実施されました。

まず、「秋(8~10月)に経験した顔の肌荒れ・かゆみの原因」を聞いたところ、「夏の疲れ・夏バテ」(68.3%)が最多となり、「季節の変わり目(気温・湿度の変化)」(15.7%)を含めると8割を超えました。一方で花粉(ブタクサ・ヨモギなど)を疑った人はわずか12.0%にとどまりました。

続いて、「花粉皮膚炎」という疾患名の認知度を調べたところ、「知っている」とした人は23.0%となり、約8割が「存在すら知らなかった」(77.0%)という驚きの結果に。

春のスギ・ヒノキによる花粉症は有名ですが、花粉が皮膚トラブルを引き起こすという認識はまだまだ普及していないようです。

また、「秋の花粉(ブタクサなど)が8月下旬から飛び始めること」についても、「知らなかった」(45.0%)や「秋に花粉が飛ぶこと自体知らなかった」(23.7%)など、約7割が飛散時期を認識しておらず、8月終わりの肌荒れと花粉を結びつけられない大きな原因となっていることが示唆されました。

では、実際に肌荒れやかゆみが出たとき、どのように対処しているのでしょうか。

この質問には「市販の保湿剤・化粧品を変えた」(41.3%)や「市販の塗り薬(かゆみ止めなど)を使用した」(22.0%)などが上位に挙がり、「皮膚科を受診した」(17.7%)は2割に満たず、約8割の人が市販スキンケアや自然放置などの「自己判断」で対処していることがわかりました。しかし、アレルギー性の皮膚炎である場合、通常の保湿ケアだけでは根本的な改善が難しいのが現実です。

さらに、「秋の肌荒れ・かゆみは、どのくらいの期間続きましたか」と聞いたところ、「2週間~1カ月程度」(36.7%)や「1カ月以上」(22.0%)など、肌荒れが2週間以上長引いた人が全体の約6割を占めました。

通常の乾燥や夏バテ肌であれば丁寧な保湿で短期間に落ち着くことが多いですが、症状が長引いている場合は「花粉皮膚炎」などのアレルギー反応を疑う必要があります。

■「花粉皮膚炎」と「夏バテ肌」はどう違う?

では、秋の花粉による肌荒れと、一般的な乾燥肌などはどのように違うのでしょうか。

花粉皮膚炎は、花粉が皮膚に直接付着することで起こるアレルギー性の接触皮膚炎です。顔や首、まぶたなど、衣服で覆われていない部分に症状が出やすく、かゆみや赤み、乾燥、細かな湿疹などが現れます。

一方、夏バテ肌・乾燥肌は全身に症状が出ることがあり、花粉皮膚炎に比べるとかゆみは軽度~中等度で、保湿によって改善しやすい傾向があります。

同クリニックの髙桑康太医師によると、8月下旬から10月にかけて顔のかゆみや肌荒れで受診する人の中には、花粉皮膚炎のケースが相当数あるといいます。

花粉皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下した部分に花粉が付着し、アレルギー反応を起こすことで発症します。特に顔やまぶた、首など、露出している部分に症状が出やすいのが特徴です。

春の花粉シーズンに肌荒れを経験する人は、秋のブタクサ花粉でも同様の症状が出る可能性があります。

また、夏バテ肌や季節の変わり目による乾燥肌との違いとして、「かゆみの強さ」「症状が出る部位」が挙げられます。

顔や首など露出部に強いかゆみが出る、目のかゆみやくしゃみを伴う、外出後に症状が悪化するといった場合は、花粉が原因である可能性も考えられます。

日本皮膚科学会の接触皮膚炎診療ガイドラインでも、花粉による皮膚炎もアレルギー性接触皮膚炎の一種として位置づけられており、皮膚科医としての臨床経験では、春だけでなく秋の花粉シーズンにも花粉皮膚炎の患者さんが増加する傾向が見られ、早期の診断と適切な治療介入が症状の長期化を防ぐ鍵となるといいます。

■秋の花粉による肌荒れ、どう対策する?

花粉皮膚炎を防ぐには、まず花粉が皮膚に付着するのを減らすことが基本です。医師が挙げる予防・対策のポイントは次の通りです。

・外出時はマスク・眼鏡・帽子などで花粉の付着を防ぐ

・帰宅後はできるだけ早く洗顔し、花粉を洗い流す

・日頃から基本的なスキンケアを行い、肌のバリア機能を維持する

・症状が出た場合は、早めに皮膚科を受診する

特に今年の秋は残暑が厳しく、肌のバリア機能が低下している人も多いと予想されるとのこと。肌の状態が悪いところに花粉が付着すると、花粉皮膚炎を発症しやすくなる可能性があります。

なお、春に花粉症がない人でも、秋の花粉皮膚炎を発症する可能性は十分にあります。春にスギやヒノキで肌荒れを起こす方は、秋のブタクサ等でも同様の反応が出やすいため注意が必要です。

また、顔がかゆい時は皮膚科を受診してください。アレルギー症状を伴う場合でも、お肌のトラブルであれば皮膚科で原因を特定し、適切な処方薬(外用薬・内服薬)をもらうのが一番の近道です。

「夏の疲れかな」と思っていた顔のかゆみや赤みが長引く、外出後に悪化する、目や鼻にも花粉症のような症状がある--。そんなときは、単なる乾燥や夏バテ肌と考えず、花粉による肌トラブルの可能性にも目を向けてみるとよさそうです。

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