水田に除草剤散布してたら、別荘住民「人体に影響ない?」 「きれいな田園風景が見られるのは、農薬のおかげ」農家の訴えに共感広がる

農業への無理解を嘆く農家の声が、SNS上で大きな注目を集めている。

「除草剤を撒いていたら別荘に住む方が迷惑そうに『それは人体に影響は無いんですか?』と近づいて聞きに来られたんです… 農薬をやる意味やリスク、頻度は自分的には丁寧に説明しましたが、伝わってなさそうでした」

と自身の体験を紹介したのは、稲作本店・たぬき社のパフじろうさん(@TintsF)。

たまに別荘にやってくる都会人は、田園風景を"自然はいいもんだ"と感じるのかもしれないが、きれいな田畑が維持できているのは、農家が農薬や除草剤を使って手をかけているおかげ。

「みんなが過ごしやすい風景を守るために、溝さらいして、水を流し、草刈りして、毎日毎日、ここで生活しながら地域を維持しているのに…たまにやってくる方に、なんで迷惑がられなきゃいけないんでしょう」

と嘆くパフじろうさんの投稿に対し、SNSユーザーからは

「そういう人は草刈りのエンジン音に、ものすごいクレームいれますよ。こっちにも、田舎暮らしにあこがれた若夫婦が、草刈りにクレーム入れてきていますからw」

「お疲れさまです。 土地一面に食することのできる植物があるって不自然な環境なんですよね。そのせいで、発生するはずのない病気や虫が発生して環境ダメージが発生する。それを抑制するのが農薬だと思っています。自然に負荷をかけないように抑止するツール。自然の恵みを借りているんですから」

「結論が決まってる人と話しても不毛だよなあ… 近づいてくるくらいだから、危険だとは思ってないけど、気分的に迷惑だって話をしたいだけのクレーマー」

など、数々の共感の声が寄せられている。

パフじろうさんに、お話を聞いた。

--どんな方だったのでしょうか?

パフじろう:50代後半~60代前半くらいの男性でした。除草剤を散布して片付けていたら近寄ってこられて、不安そうに「それは、人体への影響はないのですか?」と聞かれ、説明しているときも疑いのまなざしを向けておられました。

--今回のエピソードを振り返ったご感想を、あらためてお聞かせください。

パフじろう:地域を保全して美しく保つために、また食料を生産するために必要最低限の農薬を使用しています。農薬はとても高額ですし、国の安全基準を守った用法・用量でやっています。また健康を害する可能性やリスクは、使用する農家が一番背負っています。

きれいな田園風景が広がり、気持ちよく散歩できたりするのは農薬によるものであること、そしてそれを支える農家がいることが理解されず、逆に迷惑がられているということに、とても残念な気持ちになりました。

--ご投稿に対し、大きな反響がありました。

パフじろう:農薬の話以外にも、農家の方々は「カエルがうるさいから、田んぼに水を入れるな」や「水面が反射してまぶしいから、水田をやめてほしい」など、後から移り住んできた方が苦情を言ってこられるケースもあるそうです。

いずれにしても、言われた内容やその方の態度の残念さよりも、農業や田舎の風景を支える人間に理解が及んでいないことが残念といった声が、多数ありました。

   ◇   ◇

パフじろうさんは栃木・那須の稲作農家7代目として、里の風景とおいしさをお届けしようと奮闘中。夫婦で稲作をしながらECでお米を販売したり、『たぬき社』という広場をつくって、米粉バームクーヘンやジェラートの製造・販売をしている。「なかなか理解されにくい農業ですが、農村の最前線からリアルをお伝えしながら、里を未来につないでいきたい」ということなので、ご興味ある方はぜひSNSやホームページをご覧いただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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