【漫画】中学受験、志望校に合格したのに…ゴールではなかった!? 子と二人三脚で走り抜けた母が直面した予想外の現実とは

子どもが小学校から中学校に進学すると、親と子の関係は少しずつ変化します。小学生のうちは放課後に宿題を一緒にしたり、習い事の送り迎えに付き添ったりと、親は日常のサポートに追われますが、中学生になると、子どもは少しずつ自分のことを自分でやろうと挑戦する時期でもあります。部活や学校生活や勉強にと親子の関わり方は少しずつ変わっていくが世間一般の姿なのですが…。

■合格の喜びの裏に潜む不安

埼玉県在住のKさん(40代)は、息子と二人三脚で小学校4年生から3年間、親子ともに希望する私立中高一貫校の入学を目指し、走り抜けました。平日は夜遅くまで過去問を解き、週末は模試の偏差値に一喜一憂。宿題の丸付けや復習のチェックも欠かさず、「この子の可能性を広げたい」という一心で支えてきました。そしてついに、第一志望校への合格を勝ち取ります。

喜んだのもつかの間、中学入学後の現実は、期待とは裏腹に厳しいものでした。入学直後の中間テスト前に、息子は「ママ、問題出して」と言いながら机に向かいます。分からない問題に出合うとすぐ母親を呼び寄せ、「ママが隣にいないと集中できない」と言い切るのです。喜ぶべき合格の喜びに、じわりと影を落としていきました。

■母なしでは勉強できない息子の行動

Kさんは息子の中学校入学とともに、セーブしていた仕事をフルタイムに変更しました。その日は夜まで外出の予定があり、息子は母親不在のため全く手が付けられていなかった翌日提出予定の宿題に一人で取り組んでいるはずでした。電話で進捗状況を確認すると、「分からないところがあるから、ママに聞きたい」と泣き言を言ったといいます。

さらに、期末テスト前の夜。息子は数学の問題集を広げ、あちこちで手が止まります。Kさんが少し離れて仕事を始めると、「ママ、ここはどう解くの? 教えてくれないから進まない!」と必死に呼びます。母親がそばにいなければ、暗記も計算も手につかない状態でした。

別の日、理科のテスト勉強中、息子は実験レポートの書き方に悩み、「ママ、こう書くの合ってる?」と何度も確認。Kさんは少し戸惑いながらも付き添いますが、夜中になっても終わらず、結局母親も寝不足に。合格までは必要だった「手厚いサポート」が、入学後には息子の自立を阻む要因になっていたのです。

■自立と依存のはざまで揺れる母の気持ち

Kさんは、仕事や家事に追われる日々の中で、息子の学習に付き添う時間は限られていました。それでも、息子の成績は母親がそばにいないことで、次第に下がっていく傾向があり、手を離すことへの恐怖と葛藤が膨らみます。

ある日のこと、息子が国語の答案を持って帰宅しました。答案を開くと、前回よりも点数が下がっていました。息子は涙をためながら、「ママ、隣にいてくれたら解けたのに」と言います。Kさんは、胸の奥が痛むと同時に、「自立してほしい気持ち」と「付き添わないと成績が下がるかもしれないという恐れ」に引き裂かれました。

夏休みの理科の自由研究の課題は、息子はなんとか実験内容を絞り込めたものの、最終的にKさんの助けなしでは完成できませんでした。Kさんは自分の肩越しに、息子が自分を頼り切っている姿を見ながら、深いため息をつきました。努力の成果はあったものの、心のどこかで「依存症候群」と呼べる状態に陥っていることを痛感したのです。

■伴走は必要だったけれど、線引きも必要

受験までの6年間、母親の献身的な伴走は確かに息子を支え、可能性を広げる原動力になりました。しかし、合格という目標を達成した今、その伴走の方法を見直す必要があります。

Kさんは最近、「一緒に問題を解く時間」と「自分で取り組む時間」をあらかじめ設定するようにしました。最初は息子が泣きそうな顔で抵抗していましたが、徐々に一人でノートを開き、問題に取り組む時間も持てるようになりました。母親の存在は、確かに心強い支えですが、いつかは離れなければならないと思っています。

息子が自分から数学の難問に挑戦し、「できた!」と報告してきた瞬間、Kさんは思わず涙ぐみました。小さな成功体験が、依存から自立への第一歩を作ることを実感したのです。

■合格がゴールではない、真の課題はここから

中学受験は、親子の努力が試される過酷なマラソンのようなものです。合格という結果は一つの区切りですが、真の課題はその先にあります。子どもが自ら学び、困難に立ち向かう力を身につけること──それは受験勉強以上に、親にとっても学びの連続です。

Kさんのケースは、努力が必ずしも「自立」につながらないことを示しています。伴走者としての愛情と支えは必要ですが、子どもが自分の力で走り出す瞬間を信じて手を離す勇気も、親には求められるのです。母親の6年間の伴走は、息子にとっての土台となりましたが、次に必要なのは、息子自身が自分の足で走る経験なのかもしれません。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

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