おにぎり3個→2個、おかずも激減…ファミマ「おむすびとおかずセット」(398円)3年での物価高騰を可視化

ファミリーマートの、手頃にお腹を満たせる弁当として人気の「おむすびとおかずセット」。今、SNS上ではそんな人気商品に起こった変化が大きな注目を集めている。

「本日、ファミマで購入した『おむすびとおかずセット』税込398円。ぼくの手元で、ファミマおむすびセット画像アーカイブをたどっていくと、3年前の2022年10月31日に購入した『おむすびセット』が同じ値段でした。物価高とは、同じ値段を支払って食べられるおむすびとおかずが減るということです。」

と3年前の同社商品との比較画像を紹介したのは大阪公立大学生活科学研究科教授で社会政策を専門分野とする垣田裕介さん(@yusukekakita)。

価格は変わらないままおにぎりは3個から2個に、おかずは半分くらいになってしまった「おむすびとおかずセット」。近年、米をはじめあらゆる生活物資が高騰しているので理解はできるが、それにしても寂しい光景だ。

垣田さんにお話を聞いた。

ーー今回、商品の内容の変化に気付いた際の印象は。

垣田:この数年、コンビニでお弁当などを購入する際、値段が上がってきていたり、あるいは以前と同じような値段でも内容量が少なくなっていたりするなど、私もいわゆる物価高を実感していました。なかでもこのたび投稿したおむすびセットの画像は、以前と比べて内容量がここまで少なくなったかとインパクトがありました。

ーー同名商品を、値段は変えず内容を削減する“ステルス値上げ”には批判の声もあります。

垣田:値段すえ置きで内容量を少なくする手法も、同程度内容を維持しつつ値段を上げる手法と同じく、値上げは値上げと思っています。ときに見かける「ステルス値上げはズルい」とか卑怯とか消費者騙しという批判には私は共感しません。

 ーー投稿に大きな反響がありました。

垣田:同社商品の時系列比較という手法に反応いただき、定点観測すごい、などのコメントもいただき、うれしく思っています。「ファミマおむすびセット画像アーカイブ」という、私が勝手につくったワードにも反応いただきました。

まじめなお答えになりますが、このたびのX上での反応を踏まえて、次のようなことも考えたりしました。値上げ前のおむすびセットの画像は、今日のような値上げを予想していたわけでなく、あるいは何年かあとにこうして時系列比較する目的で撮っていたわけでもありません。特に目的を持たず日常の食事を撮っていただけなのですが、あとから振り返ってこうして並列させて比較することで、過去と現在との違いや動向が一目で分かるようになりました。

私が仕事にしている調査や資料集め、もしかすると学生たちにとっての日々の勉強や経験も、それをしているときはその意味や意義を十分に分かっていなかったとしても、後になって想定しなかった形で役に立ったり意味を実感したりするものなのかもしれないとあらためて思いました。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「金額そのまま、品が8品から5品、カロリーが605kcalから434kcal、カロリーベースで3割減。厳しいなあ。」

「おにぎりが一つ減り、おかずが二品減… 実質的に1.5倍ほどの値上げと思うと今の物価高の激しさに泣きそうです」

「セブンイレブンの焼きつくねおにぎり、6年前から比べて1.45倍に値上げ。 もうおにぎりが買えない時代です。」

「写真に残すって大事だな」

など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんは「おむすびとおかずセット」の変化についてどのように感じるだろうか。

垣田裕介さんプロフィール

大阪公立大学(大学院生活科学研究科・生活科学部)。専門は貧困・生活困窮、社会政策。社会設計と伴走型支援の社会福祉。著書に『地方都市のホームレス』(法律文化社)、共著『生活困窮者への伴走型支援』(明石書店)、共編著『社会政策入門』(法律文化社)など。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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