父の給料・数ヶ月分だったエアコン…50年経って今も壊れず 「3歳の私のために、父が買ってくれた」
取り付けから50年、一度も故障せずに動き続けているエアコンが、SNSで注目を集めています。
冷房をつけると「部屋に入った瞬間に寒い」と感じるほどの効きで、今も現役として使われているそうです。購入のきっかけは、父親の知人宅で火事が起き、子どもが亡くなったという出来事でした。当時3歳だった娘の安全を願い、父親が給料の数カ月分をかけて選んだのが、火を使わない冷暖房だったといいます。
投稿したのは、現在80代の父親と暮らすYaseminさん(@kakumature)です。エアコンは木目調の大きな四角い形で、冷房を入れるとすぐに部屋全体がひんやりするほど冷えるといいます。
「エアコンの取り付けは私が3歳のときでした。引っ越すたびに一緒に移動して、今の家で4軒目です。節目でクーラーガスを補充してきましたが、最後に補充したのは13歳のときで、それから40年は補充なしでもパワフルなままです」
エアコンを選んだ理由については、投稿の中でこのように明かされています。
「父の知人宅で火事が起き、子どもが亡くなったと聞きました。それを受けて、火を使わない冷暖房を選んだそうです。当時のエアコンは非常に高価で、給料の数カ月分はかかったと聞いています」
当時はまだ幼く、取り付け時の記憶はうっすらとしかないものの、大人になってからふとエアコンが壊れないことに気づき、両親に尋ねたことで、このエピソードを知ったといいます。
「特別に裕福な家庭というわけではなかったので、そんな高価なものを私のために買ってくれたことに、父の思いを感じて嬉しくなりました」
現在、このエアコンは父親の部屋に取り付けられているとのことです。
「操作はダイヤル式で、“送風・冷房・暖房”の3つだけです。温度設定を変えなくても十分に効きます」
50年間壊れていない理由について尋ねると、特別なメンテナンスは一切していないそうです。業者によるクリーニングも受けたことはなく、父親はいつも「よく効くなぁ」と言いながら、短時間だけ電源を入れて使う習慣があるとのことです。
「すぐに冷えるので長時間使わずに済みますし、それが結果的に機械への負担を減らし、長持ちにつながったのかもしれません」
このエアコンは、1974年にグッドデザイン賞を受賞したダイキンの製品(※参照:GOOD DESIGN AWARD-受賞ギャラリー)です。以来、投稿主さんの家庭ではダイキン製品を信頼し、他の部屋にも導入するようになったといいます。
「一度だけ別のメーカーを使ったことがありましたが、10年ほどで壊れてしまいました。今では家中の5台すべてがダイキン製で、どれも20年選手として今も快調です。ただ、その中でも一番冷えるのはやはり、今回紹介した50年前のエアコンです」
この投稿には、「元ダイキン社員として嬉しいです」「電気屋ですが、昔のエアコンは構造がシンプルだから壊れにくいんですよ」といった関係者からのコメントも寄せられ、反響が広がっています。
実際にこのエアコンを購入した父親自身も、「良い買いものをした」と満足げな様子だそうです。投稿主さんも「故障するまでは使い続けたい」と話しますが、壊れてしまったらどうするつもりなのでしょうか。
「もし役目を終える日が来たら、粗大ごみとして処分すると思います。記念に引き取っていただけたらうれしいですが、現実的には動かなくなったらお別れですね」





