大学は、どの都道府県へ?→東と西で異なる傾向 可視化したマップ話題に「東京へ若者が吸い取られ」「大阪人は京都に」

都道府県ごとの進学流動を可視化したマップがSNS上で大きな注目を集めている。

「進学流動を示した地図。自県以外で最も多い進学先によって塗り分けている。やはり東京が圧倒的。仙台や福岡が各地方の中心になっているのと比べると、広島は大阪と福岡に挟まれてあまり中四国で存在感を示せていない。」

と件のマップを紹介したのは京都大学大学院文学研究科で地理学を専修する重永瞬さん(@Naga_Kyoto)。

有名大学を有する東京や大阪、京都の影響力が目立つが、九州、四国、東北などの事情も興味深いこのマップ。重永さんにお話を聞いた。

ーーこのテーマに興味を持ったきっかけは?

重永:「若者をどれくらい引き付けるか」は都市の中心性の強さを示す一つの基準になると考えているのですが、若年層の人口移動のうち多くを占めるのは進学と就職です。そこで、今回は進学に絞って移動のあり方を見ることにしました。

ーー実態をご覧になって。

重永:やはり東京の影響力は大きいなという感想が第一です。反対に、名古屋や広島は思ったよりも進学圏が狭いように感じます。これが就職であれば、製造業が強い名古屋はもう少し影響範囲が大きくなるのではないかなと。全体としては、もともと持っていた印象とは大きく変わらない地図ができたという感想を抱きました。

ーー投稿に大きな反響がありました。

重永:自分の出身地の進学事情を思い出しながらコメントをする方が多く、皆さんの感想を見て私も勉強になりました。地方において進学の選択肢が限られている状況が東京一極集中の一因となっていることを考えると、地方国公立が果たす役割は大きいなと感じます。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「地方から東京へ若者が吸い取られるように行き、そして戻っては来ない 地方の高齢化が進んでいく要因かと思ってしまいます」

「広島は山陰側と中国山地で隔絶されてるのでそれぞれの行き来が難しいです(2013年開通の松江道で改善した)。 そして山口は福岡、岡山は兵庫・大阪に近接してるのでわざわざ広島に来るという選択肢はなかなか湧かないでしょう。 もし広島の県庁所在地が福山であれば未来は変わったかもしれません」

「大阪人は京都に行き 京都人は京都に行くというのがいかにも『らしい』なぁと思うのであった」

など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。

なお重永さんは2022年にこのような統計地図をまとめた書籍『統計から読み解く色分け日本地図』(彩図社)を出版している。ご興味ある方はぜひご覧いただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス