あああ脱走しちゃう~!アシカが柵にジャンプ、乗り上げてキョロキョロ→来園者騒然 スタッフが駆けつけた瞬間のリアクションに爆笑

「当時2歳のびっくり事件現場」

XユーザーのSuunoさん(@suuuuuno_)は、そんなコメントとともに約23秒の動画を投稿しました。そこには、2023年11月23日に桂浜水族館(高知県高知市)で撮影された、カリフォルニアアシカの「コエル」ちゃん(当時2歳・女の子)の姿が映っています。

水中からひょっこり顔を出し、プールの柵を見上げたコエルちゃん。そのまま仰向けの体勢で、後方へとゆっくり移動を始めました。

そして、くるりと右方向へ旋回し、再び柵の方へ。

次の瞬間、勢いよくジャンプ!

柵に乗り上げ、両前ヒレで体を支えながらキョロキョロとあたりを見まわし始めました。

驚いた来園者の一部は、その場を立ち去る様子も。正面に座っている来園者は、静かにその様子を見守っていました。

Suunoさんは続けて、「続き! スタッフさん来た時の逃げる速さよ」とのコメントとともに、さらに動画を投稿。コエルちゃんは再びジャンプして柵に乗ろうとしますが、スタッフさんの姿を見た途端、すぐさま退散。水中に戻るとスイーッと泳ぎ去る、その賢くもかわいらしい姿に思わずクスッとさせられます。

この一連の衝撃的な瞬間をとらえた動画は大きな話題となりました。現在4歳になったコエルちゃんは、神戸市立王子動物園(兵庫県神戸市灘区)で元気に暮らしています。貴重な動画が撮影された当時の様子について、Suunoさんに詳しくお話を伺いました。

■まさかの展開に観客も騒然、コエルちゃんらしい“お転婆劇場”の裏側

ーー撮影時の状況について教えてください。

「閉園間近の夕方、16時頃だったため、お客さんは少なく、コエルはまったりと泳いだり、時おりジャンプをしたりしている様子でした。ごく日常的な光景だったと思います。ところが途中から、何がきっかけだったのかはわかりませんが、ジャンプしてプールの柵に体を打ち付けるような遊びを始めました。やがて助走をつけるようになり、柵の上を眺めて狙いを定める仕草も見られるように。ジャンプの高さがどんどん増していき、『もうすぐ柵を飛び越えてしまうんじゃないか?』と思った矢先、本当に飛び越えてしまいました」

ーーこの光景を目にしたときの感想は?

「そのときは桂浜水族館ファンの方と一緒にいて、ジャンプを繰り返すコエルを見ながら冗談交じりに『これ、脱走しようとしてませんか?』なんて話していたのですが、それがまさか現実になってしまい、本当に驚きました。私自身、腰を抜かしそうになりましたし、周囲からもかなりのどよめきが起きていました。アシカはもともとジャンプが得意な動物ですが、あの柵を飛び越えた子はこれまで見たことがなく、そうした話を聞いたこともありません。それでも『さすがコエルだな』と感じました。コエルは、出生時に母親がうまく子育てできず、飼育員さんによる人工哺育で育てられました。その影響か、とても人懐っこい性格で、飼育員さんや他のアシカにいたずらをするなど、普段からお転婆な一面を見せてくれていました。生まれたときに命の危機を乗り越えたたくましさと、好奇心旺盛なお転婆気質を併せ持つコエルだからこそ、あの行動ができたのだと思います」

ーーこのあとどうなったのでしょう。

「すぐに担当の飼育員さんが走って来ました。コエル自身も、勝手にプールから出てはいけないことは理解していたようで、飼育員さんが駆けつけた瞬間にプールへ戻っていきました。しかし、柵を飛び越えられることを学習したコエルは、それが楽しくなってしまったのか、その後もしばらくは飼育員さんの目を盗んでは柵に乗り、飼育員さんが来ると慌てて戻る…というやり取りを繰り返していました。その日は最終的に、飼育員さんがプールの水を抜いて、ジャンプできないように対策を講じていました。後日、コエルはそれまで過ごしていたプールから、脱出できない構造の別のプールへ移動したそうです。ただし、その移動が脱走防止のためだったのか、2カ月後の王子動物園への転出に向けた準備だったのかはわかりません」

ーーSuunoさんのXプロフィールには「ヒレアシを愛する大学生」とありますが、ヒレアシ類を好きになったきっかけは何ですか?

「ヒレアシの中でも、コエルには特別な思い入れがあります。桂浜水族館のYouTubeを見始めて数カ月経った頃、母親のエルちゃんが妊娠しているというお知らせがあり、生まれてくるのを心待ちにしていました。私にとってコエルは、初めて見るアシカの赤ちゃんでした。赤ちゃんならではの産毛姿や鳴き声のかわいらしさ、飼育員さんが愛情深く育てる姿、たくましく成長していく様子に心を打たれたことを覚えています。当時は大学受験を控えていて、学校生活で悩むことも多かったのですが、そんな中で見るコエルの姿に元気をもらっていました。受験勉強を最後まで頑張れたのは、コエルのおかげでもあると感じています。

この頃はYouTubeや公式X、ファンの方の写真・動画などを通して、コエルの様子を見守っていました。そして無事に志望校へ合格し、入学後すぐの2022年5月に、ついに会いに行きました。もうすぐ1歳になる頃で、まだ子どもらしさが残っていたのが印象的です。飼育員さんの手からミルクを飲んだり、館内を散歩したり、トレーニングを頑張る様子に、さらに愛情が深まりました。おもちゃで遊んだり、お父さんアシカのケイタに乗ってみたり、ときには飼育員さんの上に乗って眠ってしまったりと、自由奔放な姿はまさに“天真爛漫”という言葉がぴったりです。

現在は王子動物園で、他のアシカたちと仲良く元気に暮らしているようです。これまでに3回ほど会いに行きましたが、やんちゃさも一生懸命さも愛嬌もそのままで、変わらないコエルの魅力に夢中です。私にとってコエルは、元気と笑顔をくれる、一番のアイドルです」

思いがけないハプニングで多くの人を驚かせたコエルちゃん。その天真爛漫な魅力に惹かれたSuunoさんは、これからも変わらず見守り続けていくことでしょう。そして今も、コエルちゃんは誰かの心にそっと小さな元気を届けているのかもしれません。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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