ケガを負いながら必死の姿…玄関で助けを求めたサビ猫 保護したら、家の中で大暴れ!少しずつ心を開いた日々
サビ猫の女の子「ビビ」ちゃんは、生後まもなく厳しい外での生活を余儀なくされました。何とか2歳を迎えたころ、自分の力ではどうしようもない事態が発生。その窮地を救ったのが、X(旧Twitter)ユーザーの飼い主さん(@TTomoecarl)でした。
飼い主さんは当時の状況について、次のように語っています。
「引っ越しして2年ほど経ったころ、マンション内でひとり佇んでいるサビ猫をみつけたのです。少し痩せていて、おなかを空かせているようでした。ほかの猫に追いかけられたり、交通量の多い道路を渡ったりしていたため保護することに。少しずつ距離を縮めようと試みたのですが、まったく人間に慣れていなかったため難航しました。それでも、私の帰りを玄関前でずっと待っていてくれたのです」
これまで、幼少期から実家で4匹の猫と暮らした経験がある飼い主さん。猫と接することには慣れていましたが、外での暮らしが長く、警戒心が強いビビちゃんを保護することは容易ではありませんでした。
そうして保護することができないまま3カ月が経ったころ、突然、姿を見せなくなったビビちゃん。数日後、事態は急展開を迎えます。
「上アゴと唇にケガをしていて、体調が悪そうな様子で玄関前に現れたのです。このままではいけないと思い、何とか家の中へ追い込んだものの、大暴れ。夫婦、ふたりがかりで何とか段ボール箱に入れて、そのまま動物病院へ連れていきました」
病院で診察を受けたところ、ビビちゃんは発熱していることが判明。ケガの処置をしてもらい、必要な治療を受けたものの、ぐったりとした様子で元気がありませんでした。
「その姿を見て、これからはおうちで治療をしつつ、この子を見守っていこうと思いました」
こうして、ビビちゃんは同年10月、飼い主さん家族の一員となったのです。
■人慣れしていないビビちゃんとの暮らし、大変だったことは?
飼い主さんの献身的なケアのかいあって、ビビちゃんは順調に回復していきました。一方、おうちでの暮らしに慣れるまでは大変だったこともあったといいます。
「人間が近づくと怖がって威嚇。同じ場所をぐるぐると徘徊したり、夜鳴きやカーテンを噛みちぎったりするなど情緒不安定な行動が見られました。一日中、落ち着かない様子で本人も疲れ果てているようにみえたため、獣医師に相談することに。少しでも不安を和らげることができるよう服薬をしながら様子を見守りました」
ビビちゃんのこうした症状は、時間を追うごとに少しずつおさまってきたといいます。しばらくすると、服薬をしなくても夜鳴きや不安から来るさまざまな行動が減り、飼い主さんのことを信頼してくれるようになったといいます。
「私たちにどんどん心を開いてくれて、少しずつ触らせてくれるようになったのです。のどをゴロゴロと鳴らしてくれたときは感動しました。鼻を突き出してみると、自分の鼻をツンツン。どんどん甘えん坊になって、私のあとを付いてまわったり、帰宅すると玄関に走ってやって来て出迎えてくれたりするようになりました。そうした変化を目の当たりにするたび、うれしくてたまらなかったです」
■お迎えから2年、ビビちゃんへ伝えたい思い
ビビちゃんは、現在、推定4歳(取材時)になりました。
優しい飼い主さんに見守られながら穏やかな日々を過ごしています。
「甘えん坊なところは今も変わりません。とても寂しがりやで、我慢強く、繊細で奥ゆかしい子です。一緒に寝ているとき、私が少しでもそばを離れるとすぐに目を覚ましてあとを追いかけて来たり、別の部屋にいると自分も入っていいのか遠慮して、私が出てくるまで部屋の前でずっと待ったり……。ごはんをもらうときも、あまりアピールせず、前足をそろえてじっと待ちます」
ビビちゃんは、よく飼い主さんの顔をじっと見つめながら、何か考えているように見えるといいます。一緒に暮らして2年。飼い主さんは「今の生活は幸せですか? 何か不満はないですか?」と、ビビちゃんに聞きたいといいます。
「お迎えしてしばらくしてから、ビビちゃんがもっと心地よく過ごせる環境が整った住居へ引っ越しました。今のおうちは、とても日当たりがよく、以前のおうちよりは広さもあるの快適に過ごしてもらえるとは思うのですが……。ビビちゃんはまだまだ我慢強いと感じるところがあるので、『今の生活で不便なところはないですか?』と聞きたいですね。ビビちゃんには、ストレスを感じることなく長生きしてほしいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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