生死の境目から生還 元繁殖犬に届いた朗報「どうか『うちの子』になって」 最初のプレゼントは家族のきずなを示す名前だった

繁殖場からボロボロの状態で保護されたふわちゃんというシェットランドシープドッグ。

金もうけのために酷使されたふわちゃんの体は長年の無理がたたったのでしょうか、容体が急変。生死の境を彷徨いながらも、なんとか一命を取り留めることができました。

術後のふわちゃんには脳神経に障がいが残りましたが、何よりも生還してくれたこと、そして多くの人たちの思いがふわちゃんを救ってくれことを、ふわちゃんの保護をした福岡県のボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねす(以下、はぴねす)の代表は喜び、語りました。

「動物病院のスタッフの皆さんに感謝しかありません。また、ずっとふわちゃんを応援してくださった多くの方からの思いも、本当にありがたいものでした」

■「ふわちゃんを家族として迎え入れたい」

前後してさらにうれしい知らせが舞い込みました。はぴねすの保護犬たちを、長年応援している長崎県佐世保市のYさん家族からの連絡でした。

「ふわちゃんの話をずっと読んでいました。そして、家族で話し合い、ふわちゃんを我が家の家族として迎えいれたいという結論に至り、そのお願いでご連絡しました」

Yさん一家には、9歳と1歳の男の子がいます。まだまだ手がかかる年齢です。それを心配した代表が「ふわちゃんには介護が必要です。息子さんたちが一緒に遊べるワンコのほうが良いのではないのいですか」とYさんに伝えると、こんな返答がありました。

「息子の子育ては夫がほとんどやってくれていて、私自身は仕事もしておらず、時間・体力ともに余裕があります。家族全員で話し合い、協力してふわちゃんのお世話をします。どうか『うちの子』にさせてください」

■里親さんからの「初めてのプレゼント」

Yさんの思いに代表は目頭が熱くなりました。そしてふわちゃんはこのYさんのもとで「ずっとのおうち」をつかむことになりました。

ふわちゃんの譲渡が決まった後、Yさんはワクワクが止まらない様子で、代表に連日LINEで質問が届きました。

「どこをなでたら喜ぶ?」「トイレはトレーも買っておいたほうがいい?」「首周り、体高、胴回りは?」「好きな食べ物は?」「不快なときの訴え方は?」「ベッドは段差のないタイプ?」などなど。

念入りにふわちゃんを迎える準備をしてくれているYさんの気持ちに、代表は真摯に答えました。そして、ふわちゃんを迎える前のLINEではこのメッセージも届きました。

「私たち家族たちから、ふわちゃんへ。

初めてのプレゼントを渡してあげてもらえますか? 初めてのプレゼントは『お名前』です。もう保護犬の『ふわちゃん』ではなく、家庭犬になるので変更をお許しください。

新しい名前は『メイリーちゃん』です」

この名前は、Yさんの9歳の息子さんがつけたもので、この家のきょうだいの誕生月「5月(May)」と 7月(July)」からとって「メイリー(Maly)」にしたと言います。実はふわちゃんを迎え入れることを強く望んだのも、この息子さんでした。

「これから先、家族旅行に行けなくなっても良いから、どうしてもふわちゃんに家に来てほしい」とYさんの背中を押してくれたのだそうです。

■最後の1%が幸せならば

2024年2月10日、ふわちゃん改めメイリーちゃんは、長崎県佐世保市のYさんの家へと迎え入れられました。

リビングには滑り止めマットが敷かれており、お父さんが作ってくれた「メイリーちゃんのおうち」もありました。息子さんは「メイリーちゃんの誕生日はわからないけど、うちに来てくれた2月10日が誕生日」と言い、初めてのプレゼントを買ってあげようと、自分の財布と睨めっこしていました。

Yさんは「メイリーちゃんには、息子が人として成長できるチャンスをもらった気持ちです」と言い、マザー・テレサの言葉を代表に教えてくれました。

「人生のたとえ99%が不幸だとしても、最後の1%が幸せならば、その人の人生は幸せなものに変わる」

メイリーちゃんの余生は長くないかもしれません。だからこそ、「犬生の最後の1%を幸せなものにしたい」とYさんが考えていることを受け、代表はまた胸が熱くなりました。別れ際、うれしそうな表情のメイリーちゃんにこう言いました。

「1日でも長く幸せな日々を過ごしてね」

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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