4匹いたきょうだいの1匹を失い、保護された子犬 「大丈夫、怖くないよ」先住犬と飼い主に見守られ育つ

■野犬の子犬

さくちゃん(生後8ヶ月・オス)は、酪農家の私有地で産まれた。子犬は4匹いたのだが、いつの間にか3匹の姿しか見えなくなり、このままでは残った3匹も補食されるかもしれないと、保護団体に保護された。

北海道に住む木戸さんは、夫婦共に犬が好きだった。もともとは保護猫を迎えようと約半年間探していたが、運命的な出会いがなく、ジモティーで先住犬のすずちゃんを発見。すずちゃんを迎えてから、猫派だった夫はすっかり犬派になったという。

「すずを迎えてすっかり雑種犬の虜になったのと、すずがお留守番の時に寂しそうなので、もぅ一頭を迎えようと決意しました。2022年5月、保護団体のインスタグラムですずに少し似た3歳の雑種犬Aちゃんを見つけ、Aちゃんをお迎えしたくて夫と譲渡会に参加しました」

しかし、アパートの規約よりもその子の体重がオーバーしているためお迎えできず。残念な気持ちで会場を後にしようとしたところ、「子犬はどう?」と声をかけてもらいました。そのままトントン拍子に話が進み、譲渡会終了後に会えることになったという。

■元気で、遊び相手になってくれそうな相棒

夫妻は譲渡会が終わるまでの間、一時帰宅し、ゲージを組み立てたり名前を考えたりして過ごした。

「やはりすずとの相性が一番大事なので、すずも一緒にさくの元に連れていきました」

その場にはさくちゃんと弟犬がいて、最初は怯えて物陰に隠れていたが、少し経つと興味が出てきたのか近づいてくるように。さくちゃんの弟犬は夫の腕の中で寝てしまい、とても可愛かった。

「メロメロになったのですが、弟犬は体格も小さく大人しかったので、体格も大きく、すずと一緒に元気に遊べそうな、さくを迎えることにしました」

■育てやすいが、臆病な一面も

5月、さくちゃんを迎えると、好奇心旺盛ですずちゃんにもどんどん近づいて行った。すずちゃんも気になったようで、一定の距離を空けつつも近くで寝ていた。

さくちゃんは、家族以外の人や犬に吠えて、噛みつこうとしてしまう。

「4匹いた兄弟のうち1匹がいなくなってしまい、もしかすると怖い思いをしたのかもしれません。野犬の保護犬ですし、防衛本能として仕方ないのかもしれません。ただ、さくの今後のためには、ストレスを感じることなく、大好きな公園まで行けたらいいなと思っています。さくのペースで少しずつ改善していけたらと思っています」

木戸さんは、「こんなに育てやすい犬がいるんだ!」と、とても驚いているそうだ。

「すずがしつけてくれるお陰かもしれませんが、私達夫婦は1度も噛まれたこともないですし、トイレも完璧で、何でもすぐ覚えるので、とても育てやすいです」

同じ飼い主に育てられたのに、すずちゃんとさくちゃんは正反対の性格。すずちゃんが天真爛漫なのに対し、さくちゃんはとても臆病で、外では全てのものに吠えまくり、全部が敵。ビニール袋や、洗濯バサミ、布団カバー等なんでも怖がる。さくちゃんは大らかな夫妻に育てられることで、少しずつ家庭犬として落ち着いていくのかもしれない。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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