予断は許さないが…変異株は「オメガ」の前で終わって欲しい  コロナ禍の現状を医師が報告

前回のコラムで「新型コロナは年内に終息します」なんて書きましたけど、ステルス・オミクロンと言われる「BA.2」という亜種は日本のPCR技術なら、「BA.1」と同じ手法で検出できます。ステルス(隠密)でもなんでもありません。

ですが、感染力は強く、病原性まで強くなっているという報告もあり、まだ予断は許しません。「BA.2」は、オミクロンの次の変異株「パイ」「ロー」あたりの名前をつけてもいいのではないでしょうか。

終息するまでに間違いなく、もう2~3回は変異株が現れると思います。ギリシャ文字で言えばその次の「シグマ」「タウ」あたりですね。その新しい変異株が突然、強毒性を持つ可能性はきわめて低いです。感染力の強いウイルスが生き残る。自然淘汰です。毒性が強いと感染は広がりません。オミクロンのように感染者の9割近くが無症状となると、患者は元気だから、動き回ってウイルスを撒き散らす。

私のクリニックでは、経済産業省の認可を受けて、海外渡航者のPCR検査と陰性証明書を発行しています。これまでに300人ほどの方を検査してきました。仕事にせよ留学にせよ、これから海外に行こうという人で陽性者なんていないと思ってたら、オミクロンが流行して以来、2人の方が陽性で、慌てて旅行をキャンセルしてもらいましたが、そういう無症状感染者が、そこら中を普通に歩き回っているのです。

ギリシャのアルファベットは全部で24個、オミクロンは15番目です。最後のオメガまで行ったら、その次は星座の名前を使うらしいですね。アリエス、トーラス、ジェミニとか。でもせめてオメガまでに終わって、星座までは行ってほしくありませんね。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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