ハンドドライヤー利用再開はいつ?「ウイルス拡散とは無関係」証明も、及び腰多く「情報アップデートすべき」

全国の施設で始まりつつあるハンドドライヤーの利用再開がSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは北九州市のコミュニティFMスタッフでフリーライターの東恭子(@azoofc)さんの「アップデートされとるところまだ少ないので、対応出来ててすごいと思ってしまった」という投稿。

そこには北九州市のイオン若松店に張り出された「経団連よりハンドドライヤーの利用でウイルスや菌が飛散しないことを科学的に確認したとしてハンドドライヤー再開の指針が出ました。

当店におきましても、ハンドドライヤーの再開を致します。尚、定期的に清掃・消毒を実施致しておりますので、安心してご利用くださいませ。」

という張り紙の写真が添付されている。

たしかにコロナ禍が始まって以来、"ウイルスの拡散とは無関係"という各メーカーの主張もむなしく、ハンドドライヤーの利用は全国の施設で中止されていた。これは大衆の恐怖が理性を上回ってしまった典型的な例と言えるが、そろそろ我々は意識をアップデートさせるべきではないか。東さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「早くハンドドライヤー使用再開してほしいですよねぇ。まだまだ止まってます。」

「ハンドドライヤー使えないくせに、ペーパータオルやゴミ箱ないところが大多数だったので

ハンドドライヤーはありがたいですね」

「ハンドドライヤー使えなくなってからハンドタオルがめっちゃ売れるってハンカチ屋さんが言ってました。女性はハンカチ好き多いですよね。」

など数々の共感の声が寄せられている。

東さんにお話を聞いた。

ーーこの張り紙をご覧になった際のご感想をあらためてお聞かせください。

東:随分前からハンドドライヤーの使用の安全性が公表されていたにもかかわらず、公共の場では情報が更新されていないなと思い続けていました。最近になり説明付きで利用再開していたのを見て、素直にアップデート出来ているのはよいことだなと思いました。

ーーコロナ流行以降、ハンドドライヤーのように実質に関係なくイメージだけで忌諱されてしまっているものが多々あると思います。このような状況についてご意見をお聞かせください。

東:例えばハンドドライヤーの場合は、コロナ対策というより節電等経費節減が理由で使用禁止したままのところもあるのではという疑問を持っています。

もちろんそれが理由で使用再開しないのはそれぞれの施設の判断なので構いませんが、問題なのは「コロナ対策で使用禁止」をうたっているがために、ハンドドライヤーが原因で感染が拡大するという、古い情報がそのまま多くの方に信じられてしまうことだと思っています。多くの方が使用する施設には、ハンドドライヤーを使用しない理由はコロナ対策ではない旨アナウンスしていただきたいというのが正直な意見です。

イメージで忌避するのは個人の自由とも思いますが、悪意でないとしても科学的エビデンスの存在しない情報を流布するのは問題だと思いますし、自分自身もそういう発信をしないように気を付けなければと改めて感じています。

ーーこれまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。

東:世の中にはハンドドライヤーの動向に心のリソースを割いている人がこんなにも大勢いらっしゃるんだと驚きました(笑)。一体何が「バズる」か全くわからないものだなと。

SNSは個人が好きなことを自由にいう場だから何を言おうが自分の勝手、という意見もありますが、こういう経験をすると尚のことそうじゃないよなと感じます。

◇ ◇

ハンドドライヤー製造大手の三菱電機株式会社広報部にもお話を聞いた。

ーーハンドドライヤーがウイルス拡散と無関係であることはメーカー各社が早期から主張されていたと思います。三菱電機としてはコロナ禍における風評に対し、どのような対策をしておられたでしょうか。

広報部:2020年5月に経団連からハンドドライヤー利用禁止の指針が発表されましたが、経団連の指針を真摯に受け止め、ご利用の皆様、設置される施主様などお客様が安心してご利用いただけるよう当社中津川製作所で実機検証をおこないました。

その結果、定期的な清掃を前提に、正しく手を洗い、正しくお使いいただければ問題ないと考えているという当社見解を実証結果とともにお示しいたしました。

またWEBサイトにも実機検証の結果を公表するなど正しい使い方や定期的な清掃を継続してお願いするよう努めてまいりました。

ーーハンドドライヤーがウイルス拡散に無関係と言える理由をあらためてお聞かせください。

広報部:ジェットタオルは室内空気を搬送しているため感染者のくしゃみ、咳、

つば等の飛沫そのものを直接、飛散させるものではありません。したがってジェットタオルの使用が、その他乾燥手段に比べて感染リスクを高める要因になるとは考えていません。

ジェットタオルは非接触式なので、定期的な清掃を前提に、正しく手を洗い、正しくお使いいただければ問題ないと考えています。(※参考「ジェットタオルと新型コロナウイルスの関連について-三菱電機ホームページより)

ーー今回のイオン若松店などの対応についてご感想をお聞かせください。

広報部:迅速にご対応いただきありがたいことだと存じます。ジェットタオルをご利用いただいております事業者の皆さま、ご利用になる皆さまに安心してご利用いただけるよう

今後も適切に情報発信していきたいと思います。

◇ ◇ 

読者の皆さんの身近な各施設ではハンドドライヤーの使用は再開しているだろうか。今またコロナウイルス・オミクロン株が猛威を奮っている。ハンドドライヤーの使用中止をよい反省にして、無知や偏見が社会の判断を狂わせることのないよう努めたいものだ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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