交通事故に遭い骨折していた猫、猫嫌いの夫を説得して保護「もっと早く保護したら良かった」

■野良猫が産んだ子猫

向日葵ちゃん(オス・5歳)は、山口県に住むAさんの家の近所にずっと住んでいた野良猫だった。母猫はサビ猫で、初めての子が向日葵ちゃんだった。Aさんの家の隣のレストランの1階にある倉庫を“ねぐら”にしていた。

向日葵ちゃんのことをずっと見守ってきた。交通事故にあった時は、怪我したところに薬を塗った。やせていただので、絶対にお腹に虫がいると思っていた。やがて向日葵ちゃんは毎日家の裏口の前に座って、「家に入れて」と動かなかった。すぐにでも保護したかったが、夫は大の猫嫌い。保護したいとはなかなか言い出せずにいた。

■釣具と猫

Aさんは悩みに悩んで、昨年11月10日、夫が欲しがっていた高価な釣具を購入するという条件を提案、猫を保護していいかどうかと交渉した。そして、母猫と向日葵ちゃん、最後に生まれた子猫たちを保護したという。

毛色が茶色だったので、名前は向日葵ちゃんにしたという。獣医師に診せると、交通事故で背骨が折れ、左脚は脱臼していたが、既に自然治癒していた。「もっと早く保護したら良かったと後悔しました」

母猫は不妊手術をしてTNR(T=TRAP「つかまえる」N=NEUTER「不妊手術する」R=RETURN「元の場所に戻す」)する予定だったが、外に戻すのは心配だったので、里親を探すことにした。ただ、家にはおけないので、別に購入したプレハブで他の保護猫たちと暮らしているという。

■もっと早く保護したら良かった

先住猫のホームズくんは、いつも窓から猫を見ては鳴いているような子だった。向日葵ちゃんが来るとビクビクしていたという。Aさんは、1週間、向日葵ちゃんをケージで過ごさせた。一方、向日葵ちゃんは、ケージから出してもらうと、元野良猫とは思えないほど人懐っこく、猫はもちろんAさんの2匹の愛犬にも擦り寄って行って懐いた。保護当時は痩せていたが、今でもすっかりふっくらした猫になった。

そんな向日葵ちゃんの姿を見てAさんは、「どんな辛い生き方をしてきたかと思うと、悲しくて、同じような思いしてる子を助けなきゃ」と改めて思ったそうだ。Aさんは、今、猫の保護活動をしている。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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