「日本一長い駅名」があるのは富山地方鉄道、今年「首位」から陥落した駅名がある鉄道は?

みなさん、突然ですが「日本一長い駅名」はどこだと思いますか? 答えは富山市にある富山地方鉄道の「トヨタモビリティ富山Gスクエア五福前(五福末広町)」です。

実は「日本一長い駅名」が入れ替わったのは今年の1月1日のこと。それまでは京都市内にあるとある駅が日本一でしたが、わずか9カ月で陥落することになりました。さて、ちょっとかわいそうな駅名はどこでしょうか? 

■2020年12月31日まで「日本一長い駅名」はどこ?

2020年12月31日まで「日本一長い駅名」だったのはズバリ嵐電(京福電気鉄道)「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」です。昨年3月20日に「等持院」から改称。文字数17・音読数26、ともに堂々の日本一になりました。

嵐電では改称と同時に記念硬券を販売し、地元も「日本一長い駅名」をPRしました。しかし今年1月1日、富山地方鉄道「富山トヨペット本社前(五福末広町)」が命名権を持つ会社の合併により改称。その結果「トヨタモビリティ富山Gスクエア五福前(五福末広町)」変わり、文字数は25・音読数32になりました。

残念ながら「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」はわずか9カ月で「日本一長い駅名」から陥落し、記念硬券の販売も中止されました。

実際に「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」を訪れました。同駅は北野線(帷子ノ辻~北野白梅町)にあります。龍安寺駅や御室仁和寺駅から近いため、京都観光の合間に訪問できます。

駅名標を見ましたが、二段の駅名は確かに長い! ひらがなも詰めて書かれています。

ホームでは美しい花々を鑑賞することができます。列車を待っていると、ちょうど沿線住民の方が水やりをしていました。

嵐電の電車は小型の全長約15mとなっており、一般道路も走れます。観光シーズンになると多くの観光客で賑わいますが、普段はのんびりとした路線です。

「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」ということもあり、駅から等持院や立命館大学衣笠キャンパスまでは徒歩10分以内でアクセスできます。

等持院は14世紀に建立された臨済宗の寺院。足利尊氏の墓所があるところでも知られています。駅からの標識に従って歩くとすぐに着きました。

■改称の背景には学校法人との連携・協力協定があった! 

ところでなぜ「等持院」から「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」に改称されたのでしょうか。その背景には昨年3月に嵐電を運営する京福電気鉄道と立命館大学を展開する学校法人立命館との間に結ばれた連携・協力協定があります。

この中では地域貢献・観光振興、学術研究、人材育成などの分野で両者の協力がうたわれています。地域貢献を理由に京福と立命館が「日本一長い駅名」への改称へと踏み切った、と考えてよいでしょう。

筆者は関西に住んでおきながら、改称前まで立命館大学衣笠キャンパスへのアクセス手段は京都市バスしかない、と思っていました。実際に駅から衣笠キャンパスまで10分ほど歩きましたが、想像以上に近かったです。確かにキャンパス近くまで直行する京都市バスのほうが便利かもしれません。

しかし10分間隔という列車本数の多さと所要時間が読める嵐電も便利な公共交通機関だと思います。また嵐電は四条大宮で阪急京都本線に接続するので、特に阪急ユーザーの方はチェックしたいところです。

何はともあれ「日本一長い駅名」で興味深い話題をもたらした嵐電と立命館のコラボ。今後のユニークな取り組みに期待したいところです。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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