万年赤字の銚子電鉄が「赤字が消える!」ペンを発売→またも「パクリ」疑惑…島原鉄道のペンとそっくり?

 コロナ禍で公共交通機関も苦境にあえぐ中、もはや食品会社が電車を走らせている-といわれる千葉県の銚子電鉄が「赤字が消える!暗記ペン」を発売した。「なんとか見た目だけでも赤字を消したい一心だった」(竹本勝紀社長)と言うが、赤字ペンといえば、同じく赤字に苦しむ長崎県の島原鉄道が昨年11月、どこを押しても赤色ばかりの「同色赤字ペン」を発売し、大ヒット。これってパクリでは…(笑)という素朴な疑問にも、赤字解消に奔走する“同志”として、1000キロ超の距離を超え、エールを送り合っている。

 「赤字が消える!暗記ペン」は、「まずい棒」の発案者で文房具店の試し書きコレクターでもあるプロデューサーの寺井広樹さんが考案。「銚子電鉄さんとお仕事をさせて頂くようになって試し書きでも思わず赤字に目が行って、消したい衝動が抑えられなくなった」(寺井さん)と、本体に「万年赤字」と、ここだけ黒字で書かれた赤色ボールペンと赤いチェックシートをセットに。1922(大正11)年の創業以来、何度も何度も廃線危機を乗り越えた銚電の「強運」と掛けて、受験生やコロナ禍で新しく資格を取ろうと勉強している人を応援しようと1月27日に発売した。

 銚子電鉄では「調子に乗る」とかけて、「本銚子(本調子)行き」、「本銚子発『上り銚子(上り調子)』行き』、「銚子(調子)⇔本銚子(本調子)」往復切符の3枚をセットにした「合格祈願切符」が毎年人気を博しており、今回、暗記ペンに合わせて「安全うんこうドリル」、銚子で水揚げされた近海産イワシを100%使った無添加のDHA・EPAサプリ「鰯の力」も新発売。「ぜひ合格祈願切符と合わせてお求めください」と教育業界へ怒涛の“潜り込み”をかけつつ、暗記ペンのパッケージには「当社は暗記よりむしろ忘れたいことが沢山ございます」等と記すなど、自虐は忘れない。

■1000km離れた地でも…

 一方の島原鉄道は、1908(明治41)年に創立され2018年に長崎バスグループの傘下に。諫早と島原半島の公共交通機関として鉄道、バス、フェリー、タクシーなどを運行するが、人口減少と少子高齢化による慢性的な赤字経営にコロナ禍が追い打ちをかける状況に。それでも「赤字会社にしかできない面白い商品を作ろう」(永井和久社長)と11月、いわゆる3色ボールペンの3色が全て赤色…という、赤字しか書けない「同色赤字ペン」を発売したところ、1週間で5千本が即完売。現在、2月の再販を目指し予約受け付け中だ。

 ちなみにこちらは「自虐的といわれますが、赤字経営という実体験をもとに、こんな状況でも笑って頂けたらと、むしろ自信を持ってこだわり抜いて作っております」(担当者)といい、経理部のメンバーはもちろん、駅員も皆、胸ポケットに差して勤務しているという。

 ◇  ◇

 にしてもぬぐい切れないこの“かぶり”感…。「もしかして、パクリですか?」と素朴な疑問を銚子電鉄の竹本社長にぶつけてみたところ、販売前になってその事実に気付いたといい「いえ!同じ地方鉄道として、島原鉄道さんへのオマージュとリスペクトを込めた、オリジナル商品です(笑)!!暗記セットは、島原鉄道さんの“赤字(ペン)”も消せますので、ぜひ一緒にお買い求めください!」とPR。

 島原鉄道の担当者も「銚子電鉄さんのユニークな発想は、さすがです。私たちも銚子電鉄さんの絶対にあきらめないスピリットを大変リスペクトしております。銚子電鉄さんは我々地方鉄道の希望の星です!」と熱く語り、「ローカル線の魅力を多くの人に伝えるため、銚子電鉄さんと一緒に地方鉄道を盛り上げていければと思っています!」。

 そして「私たちだけでなく全国の地方鉄道の経営はどこも非常に厳しい状況にあり、鉄道を存続させるために、各社様々な取り組みを行っております。こういった商品をきっかけに各社の取り組みを知っていただき、ぜひに乗りに来てほしいと思います」とも。

 ちなみに、両社とも“黒字ペン”の発売予定はまだないという。

(まいどなニュース・広畑 千春)

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