マヤ…なんて「恐ろしい酒」!? ガラスの仮面・紅天女をイメージした日本酒…コロナ終息を願って再販

コロナ禍の終息を願い、国民的少女マンガ「ガラスの仮面」に登場する「紅天女」をイメージした日本酒が発売され、話題になっています。実は1997年に阪神・淡路大震災の復興を願っていちど発売されていましたが、未曾有の状況からリニューアル販売されることに。日本酒とマンガの不思議なコラボが気になりますが、そのきっかけはとても神秘的だったようで…SNSなどでは作品内の名セリフにかけて「恐ろしい酒!」との声も寄せられています。

販売するのは、神戸市東灘区の酒蔵・安福又四郎商店です。創業270周年を迎え「大黒正宗(だいこくまさむね)」の銘柄で知られています。1995年の阪神・淡路大震災で木造蔵が全て倒壊。最後に残った鉄筋蔵も2013年に寿命を迎え廃業の危機を迎えますが、近隣の白鶴酒造から設備の共同使用を提案され、酒造りを継続しています。

■「紅天女」とは…荒れた世を光で包み込む天地和合の女神

「ガラスの仮面」といえば、1976年から連載が始まり、現在50巻の発売が待望されている漫画家・美内すずえさんが描く一大ベストセラー漫画です。演劇を題材にしており、主人公の北島マヤ・ライバルの姫川亜弓が主演を争っているのが『紅天女』という作中劇。その物語は、荒れた世を治めるために一人の仏師が「紅天女の仏像」を彫るための梅の樹を探して旅立ち、紅の谷にいる不思議な乙女と出会うところから始まります。その乙女は、天と地の声を聴き、荒れた世を光で包み込むといわれる“1000年の梅の樹の精霊”…紅天女でした。

美内さんは、『紅天女』の章にさしかかったあたりで、いずれ登場するであろう「紅天女の仏像」を描こうとして姿が浮かばず、筆がとまっていたといいます。阪神・淡路大震災の復興支援のために神戸を訪れた際、初めての蔵元との対面で蔵元が見せた「庭の梅の古木の写真」を見て驚嘆。その写真に写る、どう見ても観音像にしか見えない梅の樹が、美内さんに初めて「紅天女」の姿を見せたといいます。…その後動き出した『ガラスの仮面』の物語。それをきっかけに、美内さんと蔵元は日本酒をつくることを決めたといいます。

■1997年は阪神・淡路大震災からの復興を、2021年はコロナ禍の終息を祈願して発売

日本酒「紅天女」が初めて発売されたのは、1997年。1995年に起きた阪神・淡路大震災で、神戸が復興に向けてまだ暗く長い道のりを歩み始めた頃でした。…それから24年。このコロナ禍の終息を願い、荒れた世を光で照らすという「紅天女」を、再び世に送り出すことになったといいます。

同酒蔵によると、日本酒「紅天女」は「凛とした味わいに深い米の旨みを感じられる純米吟醸酒」といいます。全て人の手で醸造し、灘の酒造名水「宮水」と、米は山田錦の系譜である兵庫県産「兵庫夢錦」を使用。六甲山から吹き降ろす風「六甲おろし」の力を借り、しぼりたての酒に「火入れ」をして1年以上熟成させることで、完成するそうです。

パッケージのリニューアルデザインは、ブックデザインや展覧会グラフィックなどで名を馳せるアートディレクター・祖父江慎さんと、グラフィックデザイナーの脇田あすかさんが担当。日本酒「紅天女」に対し、美内さんは以下のようにコメントしています。

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▽美内すずえさんコメント

「太陽・空気・大地・水など自然界の恵みを集約した「酒造り」は二千年前の大和時代には重要な神事でした。ですから、この『紅天女』は天地の恵みである“米”そして“水”を大切にした、神に捧げる高貴なお酒であってほしいと思います。お酒は自然界の恵みのエッセンスであり、日本文化のエッセンスでもあります。これらの意味からも『紅天女』は“自然回帰を促し、自然に感謝する象徴”であることを思いながら、味わっていただきたいお酒です」

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▽純米吟醸酒「紅天女」

【原材料】米、米麹(全て兵庫県産)

【容量】 720ml

【価格】 2800円(税込・希望小売価格)

【発売場所】

・蔵元直営オンラインショップ「十一代目 又四郎」

・蔵元直営ショップ「十一代目 又四郎」

 住所   : 〒658-0044 兵庫県神戸市東灘区御影塚町1-5-23

 営業時間 : 平日10:00-17:00(土日祝は定休)

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