埋葬しようとしたらかすかに動いた! 野良猫が産んだ子猫、すんでのところで助かって元気に成長

野良猫が産んだ子猫たち。翌日には全員亡くなっていた。しかし、埋葬しようとしたら、1匹だけかすかに動いた。子猫を託された加藤さんは、なんとかして助けたいと思ったが、母乳も飲んだことがない生後2日の子猫を育てるのは並大抵のことではなかった。

■埋葬しようとしたら動いた!

2015年7月27日の夕方、大阪府に住む加藤さんのところに長女から突然の電話がかかってきた。「生後2日の黒猫が死にそうなんやけど、今から連れて行くから助けてあげて」と言う。

「相変わらずこちらの都合など聞く由もなく、一方的に連れてきました。子猫用にミルクと哺乳瓶を一緒に持ってきてくれたのですが、猫を押し付ける割にはミルク代と哺乳瓶代を請求してくる中々のツワモノです(苦笑)」

黒猫の赤ちゃんは、長女の家の近所の庭で野良猫が産んだ子猫だった。子猫は数匹を産まれたが、すぐに母猫がいなくなったのか、それともイタチや烏に襲われたのか翌日には全て死んでいた。不憫に思った家主が土に埋め埋葬しようとしたら、死んでいると思った子猫のうち、1匹が少しだけ動いた。慌てて保護すると、子猫はわずか80グラムほどの体重で、ミルクを吸うことすらできない状態だったという。

■生後2日の子猫を育てる

子猫は、とにかく小さくて、いつ死んでもおかしくないような感じだった。まるでモグラの子供かと思うくらい動かず、見た目もそんな感だったという。

加藤さんは、以前にも、まだ乳飲み子の子猫を育てたことがあったが、その子猫は手がかからなかったため、少し飼育方法を勉強しただけで、無事成長した。しかし、黒猫の子猫は、母猫のおっぱいもろくに飲んでおらず、さらにいつ死んでもおかしくないような状態だった。加藤さんは、飼う、飼わないはさておき、何とかして助けてあげたいと思い、ネット検索して育て方を勉強した。約2週間、睡魔と闘いながら、母猫の体温に近くなるようペットボトルにお湯を入れ、タオルを巻いて温めながら、2時間おきにミルクを与え、股に軽く刺激を与え尿や便を出すのを手伝った。

「2週間もこんな感じで育てたら、もう手放すことはできませんでした。男の子でしたが、なんとなく可愛い名前だと思い、ラムと名付けました。ラムは、少しずつミルクを飲み、よちよち歩き出し、目が開いたときは感動しました」

■猫が2匹になって、日々の楽しさも2倍に

先住猫のルピちゃんは、ものすごくやきもちをやいた。一番慣れていつもべったりしている加藤さんの夫をシャーッと威嚇し、近寄ると引っかいたり嚙みつこうとしたりした。別の部屋でラムくんとずっと過ごしていたので、裏切られたと思ったのかもしれない。

ラムくんはとにかく優しい猫で、いつも自分のごはんを他の2匹に取られてしまい、残ったものを後から食べている。あまりにもかわいそうなので、コッソリごはんを与えることがあるのだが、匂いに気づいた他の子が食べに来ると、すぐに席を譲ってあげる。

淋しがりやで、加藤さん夫婦が座っていると、必ず夏でも膝の上に乗って、じっと寛いでいる。得意技はおやつを貰う時、お手やおかわりができることだという。加藤さんは、ルピちゃんに続き、ラムくんを迎え、今まで以上に猫から癒しのパワーをもらって、楽しい毎日が、さらに楽しくなったそうだ。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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