「天下取った感」が過ぎる!?…眼下に金色に染まる田園 大河のオープニングのような武将の写真が話題

 昇りゆく金色の朝日に照らされた、広大で豊かな田園の街並み。それを見下ろす一人の武将…。まるで一幅の絵のような美しい写真が「天下取った感が過ぎる」とネットで話題になっています。「めっちゃ壮大!」「タイムスリップ感ハンパない」「冥土の土産レベル」という声のほか、その構図の美しさと完璧さから、「大河ドラマのオープニングみたい」というつぶやきも。はたして誰がどこで撮影したものなのか、これは気になります…。

 写真を投稿したのは小林淳(@atsushi_k_photo)さん(37)。岐阜のアマチュア写真家です。今月5日に「天下取った感が過ぎる写真が撮れたので見てください」とツイートするや否や、1.2万件のリツイートと3.5万件のいいねがついています。

 小林さんの本業は建築士。子どもが生まれたのをきっかけに本格的に写真撮影を手掛けるようになり、5年ほど前からは地元・岐阜城と月のコラボ写真を次々とツイッター上に投稿しています。

 2016年からは、意気投合したカメラ仲間と4人で本気で岐阜の魅力を発信しようと、写真展「本気岐阜展」をはじめました。ちなみに「本気」と書いて「マジ」と読むそうで、2回目からは岐阜市主催となって毎年続けられています。

 そういえば…岐阜といえば、沢尻エリカ被告の降板・撮り直し騒動に揺れる、来年のNHK大河ドラマの舞台でもあります。こんな大河ドラマ感満載の写真をネットに発表した背景には、なにかとんでもないメッセージが…と思いきや、写真撮影をした場所は、なんと岐阜ではなく、兵庫県南部にある「高御位山(たかみくらやま)」といいます。

 -岐阜の山ではないなんて肩すかしです。「本気岐阜展」を開いているような方が、兵庫県の山で撮影なんて、よかったんでしょうか。

 「いえ、あの山は『初日の出日本一』に輝いたこともあるような、知る人ぞ知る名所なんですよ。実は、モデルさんとはこの日が初対面だったんですが、モデルの方がこの時期のこの場所を選んでくれたんです」(小林さん)

 というわけで、モデルのMASA(マサ)さんに聞いてみました。マサさんは今年結成10周年を迎えた「姫路城甲冑隊」の一員として、毎週日曜日に観光客をおもてなしをしています。2年ほど前からインスタにも“進出”しており、そこで知り合った小林さんの写真仲間で城マニアでもあるアマチュア写真家ROKU(ロク、@roku326)さんと意気投合。今では西日本を中心に各地の城や街中などで写真を撮るツアーを重ねているといいます。その活動での写真を見た小林さんから、今年の夏ごろにオファーを受け、撮影が実現しました。

 高御位山は加古川市と高砂市の境にあり、標高304mながら「播磨富士」とも呼ばれ、古くから神が住むといわれ信仰された山。数年前にはある調査で「初日の出日本一」に選ばれたこともある隠れた名スポットです。

 「自分も小学生の頃から初日の出を見に何度も上ってて。日本一は地元民的には『うそやろ~』って感じでしたが、実際きれいですし、どうせなら地元のキレイなところを知って欲しいなと思い、ここが思い浮かんだんです」とマサさん。

 天候や太陽の昇る位置などを見極め、撮影を決行したのは11月24日。マサさんの甲冑は黒田官兵衛の嫡男・黒田長政のレプリカ(お値段は色々合わせてン十万円)で、兜の「水牛角」と呼ばれる長い角が特長。一部、体への負担を考えて軽量化を図ってはいるものの総重量20キロ以上とか。それを夜明け前の真っ暗の中、昔の武者さながら全部身につけて上ったそうです。うーん…真っ暗な山中では絶対に遭遇したくない姿です(笑)

 今回の写真には大きな反響があり、大河ドラマのドタバタのあおりを受ける岐阜市の関係者も反応。「僕はどちらかというと幕末派だったんですが、甲冑と風景のコラボは男のロマン。これをスタートラインに、今後も撮り続けたいですね。もちろん戦国の“中心”だった岐阜でも」と小林さん。大河ドラマの行方や沢尻被告の動静に振り回される岐阜ですが、甲冑コラボで、再びの天下取りなるか-!?

(まいどなニュース・広畑 千春)

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