「今日も空いてる」「独り占め」「貸切気分」…青森県・津軽SAの自虐的な横断幕が話題

 東北自動車道にある高速道路サービスエリア「津軽SA」が、お客さんを呼び込むために作った横断幕の内容が「自虐的」だとSNSなどで話題になっています。高速道路を走っていると、道路をまたぐ橋の部分にでかでかとこんなメッセージが現れます…「今日も空いてる津軽SA」「混雑知らずの津軽SA」「津軽SA独り占め」「貸切休憩気分津軽SA」…いやあ、高速道路を運営している人たちって相当真面目な方々だと思っていたのですけど、ここまでアピールして大丈夫なのでしょうか。ここまで畳み掛けられると、本当にガラガラなのか、確かめずにはいられないじゃないですか!

 東北自動車道は埼玉県川口市を起点に、東北地方の内陸部を南北に貫いて青森県青森市へと至る高速道路。「津軽SA」は青森県に唯一設置された、本州最北端の高速道路サービスエリアです。弘前市に向かう人がよく使うインターチェンジ「大鰐弘前IC」を過ぎ、終点の「青森IC」まであと30キロほどのところにあります。

 SNSには横断幕を発見した人が「自虐ネタやめい」「ゴリ押しアピールやばすぎ」「誰か行ってあげて」などのコメントとともに画像を投稿。「そんな潔いフレーズ見たら気になってしまう」「そんなにいうなら寄るしかないな」と、実際にSAに立ち寄って「マジでがら空き」「夕方のピーク時間帯なのに、自分を除いて車3台しか停車していない」といったような声を寄せる人もいました。

 今回の横断幕を設置した経緯について、東北道の該当区間を管理しているネクスコ東日本青森管理事務所の担当者に聞きました。

 -びっくりする横断幕ですね。

 「今回の横断幕は東北道の下り区間に、津軽SAまでの手前14キロメートルあたりから、高速道路をまたぐ跨道橋4カ所にそれぞれフレーズを変えて設置しています」

 -そんなに手前から設置されていたとは…。

 「津軽SAは、雄大な岩木山を、送電線など視界を遮るものがない状態でのぞむことができるほか、青森らしくりんご園が併設されているといった特色があります。昨年からリニューアル工事を進めており、特に下り線には、青森の観光情報などを発信するコーナーを設けたほか、フードコート・ショッピングコーナーといった商業施設も新しくなりました。ただ、4月17日にグランドオープンしたものの、利用者が劇的に伸びているわけではありません。そこでテコ入れのひとつとして、横断幕に着目し、6月20日に設置しました」 

 -でも、なぜ「自虐」に走ろうと。

 「自動車は高速で走っていることもあり、コンパクトなフレーズで関心を持ってもらう必要があります。『眠くなったら早めに休憩』など、よくあるフレーズではなく、これまで見たことのないフレーズにしたいと思いました。ちなみに、このフレーズは青森管理事務所長のインスピレーションで決まりました」

 -掲示して実際に効果はあったのでしょうか。

 「はっきりとした数字は分かりませんが、目的地にまっすぐ向かうのであれば手間のICで降りていただいてもいいのに、わざわざ足を伸ばして津軽SAに立ち寄られている方が出てきているようです。地元の方にも関心を持っていただいています」

 -しかし、自虐しないといけないほど、本当に利用者数は少なかったのでしょうか。

 「駐車場は小型車で100台以上入るのですが、駐車場は空いている印象が強いですかね。ただ、こちらのSAの周りは大変フラットな地形で、とても開放的です。そのことが一層広々と空いているような印象につながっているのかもしれません」

 -本当に横断幕に書かれているように、自分以外に一切車がいないような「独り占め」「貸切休憩」状態を楽しめる可能性はあるのでしょうか。 

 「そうですね…私どもが管理用の車両で走っている際には経験があるのですが。タイミングだと思います」

  ◇   ◇

 本格的な夏の到来にあわせて、青森県内ではねぷた・ねぶた祭りのシーズンを迎えます。特に2019年は8月1日から「弘前ねぷたまつり」、8月2日からは「青森ねぶた祭り」が始まり、全国各地から観光客が集まるといいます。その後もお盆の帰省ラッシュが控えていますし、高速を使わって青森を訪れる際は、ぜひ津軽SAを利用して…しっかり休憩!安全運転でドライブを楽しめたらいいですね。

(まいどなニュース・川上 隆宏)

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