新橋でカリスマ女性整体師の「神の手」を体験 独自の“プロレス技”で深い眠りに

 東京・新橋駅前のニュー新橋ビルには「神の技」を持つカリスマ整体師がいるという。“ゴッドハンド”と称される楊珍雲院長(62)がその人だ。漢方整体院「珍雲堂本店」で施術を受け、“神の手”の真髄を体験した。

 楊院長は1956年、中国浙江省に生まれた。同省の病院で看護師として医療に従事する間に上海中薬大学で気功整体技術などを習得し、97年に来日。2年後、同ビル内に中国人として初出店し、20周年を迎えた現在は珍雲グループとして3軒の整体院を経営する。

 体の硬い記者の背中に楊院長の指は滑るように、めり込んでくる。ヒジも駆使した。楊院長は「私、ヒジでもやる。腰使って。ベッドの力も借りて。負担かからないから疲れない」。そう、「神の手」には「神のエルボー」や「神の腰使い」も含まれていた。「マッサージは絵ね。あなたの体に、私、ペン持って描いてる」。この体はキャンバスだった。

 楊院長に指摘された。「あなた、背中こってるね。血管、詰まってる。血を脳に送れないから眠れなくなる。それに冷え性。体、冷たいは不眠症なります」。記者は肩こりなどへの施術を期待したが、楊院長は「血流の改善」によって不眠症や寝つきの悪さの解消に重きを置いていた。

 楊院長は言う。「経絡リンパ施術すると、血液の循環よくなって体が楽になります。振動させながらツボを押すの。肥満も血液の流れ悪いから。老廃物や毒を出せば体しまる」。経絡、つまり、気の巡りを整え、自然治癒力や免疫力を引き出す。「たくさんの人が『寝つきよくなった』とメールくれました。日本には眠れない人、4割以上いて、世界一多いと言われてます。私、日本に来て、一生懸命、寝つきよくなるのこと、お手伝いしてます」。楊院長の願いは「不眠症の人を施術で幸せにしてあげたい」ということだという。

 もう一つ印象的だったのは、ポピュラーな「足裏」だけでなく、「足の甲がすごく重要。足裏だけでは分からないツボがある」(楊院長)ということ。これが痛い。「悪いとこは痛いです。イタキモ」と言う院長は、返す刀で「頭マッサージしましょ。カニ足の方法で」。カニのように動く指で頭皮をもまれるのは気持ちよかったが、拳でこめかみをグリグリと押されて悶絶。キラー・カール・コックスがジャイアント馬場に見舞ったプロレス技のごとき攻めに、「何に効くんですか?」と問うと、「目」という回答が遠のく意識の中で聞こえてきた。

 小顔マッサージにも挑戦。女性向けと思いきや、楊院長は「サラリーマンの男性に人気あるですよ。男が美しくなるの、当たり前。血行よく、美しくなって、大きな仕事来るよ」と破顔一笑。顔の筋肉と一緒に皮膚を上げる。「むくみ取れて顔小さくなるよ」。己の顔のでかさは自覚しているが、この時ばかりは、その気になった。

 楊院長の夢は後継者の養成学校を開くこと。「不眠症やストレス改善する教室作りたい。自分の生活のためと思う人はダメ。お金儲けなら他の仕事すればいい。マッサージは人のため。心よ。早く実現したいです」。寝つきの悪い記者はその夜、深い眠りに落ちた。(デイリースポーツ・北村泰介)

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