「青海を青梅と間違える問題」は本当なのか!?アイドルのSNSで話題に

JR青梅駅の改札手前に表示された注意書き
青梅駅ホームの駅名標。平仮名、ローマ字、ハングルで「おうめ」と読みを表示している
昭和の街をアピールする青梅。駅構内には名作映画の看板が並ぶ
3枚

 東京臨海新交通臨海線ゆりかもめの青海(あおみ)駅(東京都江東区)とJRの青梅(おうめ)駅(同青梅市)を間違えるという“青海・青梅問題”がSNSで話題になっている。大型ライブハウスの最寄り駅である青海に行くつもりが青梅に行ってしまったというアイドルのツイートに端を発して物議をかもし、今年4~5月にかけてはテレビ番組でも取り上げられた。実際に青梅駅に足を運びび、この“問題”を考えた。

 アイドルグループ「HIGH SPIRITS」の小室あいかが昨年11月、出演予定だった青海駅近くのZepp Tokyoに向かうつもりで青梅駅に行ってしまい、ライブに間に合わなかったとツイッターで謝罪。それ以前にも3人の女性アイドルが同様の“失敗”を明かした。4月にはテレビ朝日系「タモリ倶楽部」、5月には日本テレビ系「有吉反省会」に当人らも出演して“なぜ間違うのか”が検証された。

 東京西部に位置し、青梅街道の宿場町として歴史があり、マラソンの開催地でも知られる青梅。東京湾の埋立地である臨海副都心の一部で新興の商業施設が立ち並ぶ青海。山と海、歴史や周囲の環境も全く異なり、直線距離にして50キロ以上も離れている。単に「青」の頭文字と「おうめ」と「あおみ」という読みの類似で間違える人がいるというのだ。

 ツイッターには、「青海駅と間違って青梅駅に着いて、待ち合わせに大遅刻した」という“やらかした体験談”や「東京オリンピックの3×3バスケットボールの会場が『お、青梅か。行ってみっかな』と思ったのも束の間、よく見ると『青海』やん…」と第一印象で勘違いを誘発される“字面(じづら)のマジック”を指摘する声が投稿されていた。

 そんな背景から、青梅駅では今年1月から改札の手前にある柱に注意書きを2枚掲示した。注意マークの後に「間違って青海(あおみ)駅だと思って起こしの方:正しい行き方は…青梅駅から青海駅まで検索を JR青梅駅」と書かれている。

 都心から青梅駅までのJR運賃は片道大人920円ほど。青梅駅から青海駅まで、JR青梅線と中央線を乗り継いで神田駅から山手線で新橋駅まで920円、ゆりかもめで青海駅まで380円で計1300円。所要時間は約1時間50分だ。ライブの終盤までには戻れるかもしれない。

 では、この注意書きによって実際に救われた人がいたのか。JR東日本八王子支社に問い合わせてみた。

 同社の広報担当は、注意書きの効果について「特に聞いていません。間違える人の絶対数がないわけですし」という。注意書きは、あくまで“念のため”だ。さらに「(間違える人は)まずいないと思います。(SNSの投稿が事実かも)分かりませんし」という解釈だった。間違えたかどうかは自己申告するかしないかなので、実態は把握できていないのが現実のようだ。

 いずれにせよ、うっかり青梅駅の改札を出てしまったのなら、それも何かの縁。間違いついでに、貴重な原画も展示された「青梅赤塚不二夫会館」など、昭和文化あふれる街を味わうのも一興だ。(デイリースポーツ・北村泰介)

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