関西屈指のpH10.5!全国的に珍しい浸透性殺菌力を有する神通温泉

 平成3(1991)年12月にオープンした、和歌山県紀の川市神通にある神通(じんづう)温泉はpHが高く10.5!pHが8以上でアルカリ泉と言われ、10を超えると強アルカリ泉になる。私が調べた限りでは、pH10超えは関西では和歌山県にわずかにあるだけで、中国、四国地方や、源泉数や湧出量日本一などで有名な温泉県である大分県が含まれる九州にもほとんどなし。私が訪れた日は、最高気温と最低気温の差が10度を超える、秋も深まった頃だった。そろそろ温泉が恋しくなり、以前から気になっていたこの温泉にヘラブナ釣り大会の取材帰りに立ち寄ることができた。

  ◇  ◇

 午後3時すぎに和歌山県側から峠を越えて到着し、実際に入浴。幅8メートル、奥行き3メートルほどの湯船には、新鮮な源泉そのままのお湯がなみなみと注がれ、かけ流されていた。

 滑って転ばないように気をつけて湯船に左足を入れた。その途端、足が湯に包み込まれたような感覚になり、首まで漬かると、とろみのある湯が体にまとわりついてくるようだった。

 川に面した窓側にジェット噴射口があり、体に当てると筋肉がほぐれて疲労が回復するのが実感できた。というのも前日はユニットバスでの宿泊だったため、その違いが特に大きかったのだろう。

 体全体を伸ばし、しばらく湯あみを楽しんだ。手足の指を広げると、膜が張ったような、水かきを装着したような感じになり、強アルカリ泉を実感。全国的にも珍しい、肌に大変良いといわれている浸透性殺菌力を有する成分(メタケイ酸水素イオン)が含まれていて、“美肌の湯”として女性に人気が高いことも分かった。

 湯上がりした後も体がポカポカと温かく、湯冷めしにくいのもこれからの季節ありがたい効果だ。

 和泉山系初の自噴性イオン温泉でもあり、くみ上げを必要としないのも魅力。地球の大気圧と海の満潮、干潮や地球の自転する遠心力などで、泉水の色が時には乳白色で濃くなったり薄くなったりもする神秘的な湯でもある。毎日通えば、湯の色が変わることも実感できるだろうし、肌がツルツルになるかもしれない。

 入浴は大人(中学生以上)700円、小学生550円。毎週水曜のレディースデーは女性が550円。26日の風呂の日は全員が550円となる。午前11時から午後9時まで営業し、第3月曜が定休日。宿泊は出来ないが食事や宴会は可能で、入浴と定食(1080円)セットの神通定食は、牛乳1本に当たる160円安い1620円。これからの時季、40人までの宴会で、支配人お勧めのぼたん鍋を賞味するのもいいだろう。

 京奈和道と阪和道がつながり、南からのアクセスもよくなったので、“神の通じる地”に湧く温泉に立ち寄って関西屈指の強アルカリ泉を体感してみてはいかがだろうか。(デイリースポーツ・柴田直記)

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