客を呼び福を呼ぶ「招き猫」の発祥地は?

 商売繁盛、開運招福のご利益を与えてくれるとして、昔からよく飲食店などで見かける「招き猫」。この招き猫、作り方によって、大きな意味があり、その価値が異なってくることを知っているだろうか。基本的には、右手を挙げているのが、「お金」を呼び寄せ、左手を挙げているのが「お客」を呼び寄せる縁起物だ。

 特にその中でも、重宝されているのが猫の手。「耳より上がっているのが良く 長いほど ご利益がある」とされ、これを「手長」と呼んで、重宝し、価格も一般の招き猫より数段高くなっている。

ならば「手の長い招き猫を量産すればよい」と素人目には考えがちだが、そうはいかない。「あまり手が長すぎると 不安定でバランスが取れない」(社務所職員)のだそうだ。

 そして招き猫は時代とともに、その世相を反映する。その例が、猫が持つ小判の値段である。昭和20年頃から造られ、それ以前、小判は持っていなかったという。千両から始まり、万両、百万両、現在では億万両となっている。時代の変化がここにも見られるようだ。

 今戸焼の招き猫は「ヤフオク」でも取引されており、かなり高額。執筆時で大猫2個、子猫1個セットで5万8000円や、アンティーク今戸焼き、招き猫2万9800円で出品されていた。今戸焼きビッグサイズ(縦25センチ×横16センチ)招き猫左手アンティークで6235円。郷土玩具土人形 今土焼き招き猫土人形ツインで4100円などリーズナブルな値段も見られた。

 昔から大店の主人が、高額を払って買い求めたのが解るようだ。そのご利益の歴史は古く、中国の唐の時代の文献にも「猫が客を呼ぶ話」と描かれているのを見ても納得。それだけではない。招き猫はもっと奥が深いのだ。最近ではカラーの招き猫が登場。色とりどりで、カラフルになったと思っていたら、これにも大きな意味があるのだ。

 従来からの「白」の招き猫はオールマイティの「開運招福」。「黒」は「厄除け」で「家内安全」。「金色」は「金運」で黄色の招き猫のご利益は「金運繁栄」。そしてピンクはなんと「恋愛成就」だそうだ。

 その「招き猫」の発祥地について諸説あるが、東京でも数多くの社寺が名乗りを上げている。その中の一つ、本命視されているのが、浅草の縁結びの今戸神社である。この今戸と聞けば、落語ファンなら、あの『今戸の狐』をすぐにイメージするように、かなり有名。そう、ここ今戸は、今戸焼の産地であり、「招き猫」は、今戸焼で作られているのである。

 嘉永年間、猫好きの老婆が、この地で、貧しさから猫を飼うことができず、しぶしぶ猫を捨てることになる。その夜、老婆の枕元に捨てた猫が現れ、「自分の姿を今戸焼きで作り背中に丸〆(まるじめ)の印をつけて、売りなさい」と言ったとか。

 この「丸〆」が、招き猫の原型と言われている。今戸の地域が、丸ごと招き猫の発祥地の様なもので、その代表格が今戸神社というわけである。

 今戸神社に一歩入るとそこは、招き猫の世界。本殿の正面を始め、庭の至る所に粘土で作った招き猫が散在する。その景観は観る人を圧倒する。「粘土を使って数多くの招き猫を造っています。当神社は縁結びの神ということもあり、ツインの招き猫が、特徴となっています」(社務所職員)という。

 そしてもう一つこの神社の特徴は、幕末に活躍した「新撰組」随一の剣の達人、沖田総司の終焉の地としても知られている。現在今戸神社は、縁結びの神社ということもあり、若い女性の間で人気沸騰、いつも縁結びのお守りを買うため、列をなしているという。(デイリースポーツ特約記者・二階堂ケン)

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