“電流爆破の女”コンバット豊田 今は焼き肉店を経営、厨房でも奮闘中

レスラー仲間のサインが飾られた店内で笑顔を見せる豊田記代さん
店内に飾られた現役時代の豊田さんの写真
のれんを前に意気込みを語る豊田記代さん=兵庫県尼崎市
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 1996年5月5日に女子プロレスラー史上初となる電流爆破マッチを行い、引退したコンバット豊田は現在、兵庫県尼崎市で焼肉ホルモン店「いこら」を経営。自ら厨房に立ち、第2のリングでも奮闘を続けている。

 大仁田厚率いるFMWの悪役レスラーだった面影はない。豊田記代さん(50)は優しい笑顔とあいさつで客を迎え入れる。「現役時代はお客さんを罵倒もしていました。今と真逆ですよね。でも、お客さんに感動してもらいたい、という気持ちは同じなんです」。2013年8月の開店から4年。週末は予約が難しい人気店に育て上げた。

 JR立花駅から北に徒歩5分。店名は“行こうよ”を意味する故郷和歌山の方言で、店内はテーブル5席、カウンター4席。訪れたレスラー仲間のサインや現役時代の写真が飾られているが、アットホームな雰囲気に満ちている。

 千葉の人気店で12年修行した塩ホルモンがイチ押しだ。ヒマラヤ山脈のローズソルトと、沖縄の天然岩塩をブレンド。「関西はタレが主流ですけど、千葉から受け継いだ塩ホルモンのおいしさを伝えたい」と意欲に燃えている。

 プロレス史に残る引退試合。工藤めぐみの攻撃を受け、後頭部から有刺鉄線に突っ込んで被爆した。「首が痛いし熱いし、死んだと思いました」。敗戦後は救急搬送され全身34針の縫合処置を受けた。

 引退後は大仁田の事務所で1年、ラーメン屋台で3年働き、千葉では店長まで務めた。「大仁田さんや多くの人に恵まれました」という感謝の思い、そして「悔いなく終われた。やり切りました」と誇れるプロレス人生に支えられた。

 尼崎で店を軌道に乗せた豊田さんだが、悩みもある。「和気あいあいとしたお店にしたいんですけど、忙しくて最近はお客さんとゆっくり話せないのがね…」。温厚な笑顔が少し困り顔になった。(デイリースポーツ・山本鋼平)

 ◆コンバット豊田(本名・豊田記代)1967年10月26日、和歌山市出身。和歌山工高では砲丸投げ選手として全国大会に出場。クラッシュギャルズに憧れ86年9月17日、全日本女子でデビュー。同年新人賞に輝くも88年に引退。90年3月13日、FMWで再デビュー。リングネームをコンバット豊田に改め活躍。96年5月5日、川崎球場で工藤めぐみと女子史上初の電流爆破マッチに臨み、引退。現役時代のサイズは身長168センチ、体重80キロ。

 ◆炭火焼き肉ホルモン「いこら」

 ▽住所 尼崎市立花町2-1-5(JR立花から北に徒歩5分)

 ▽電話 050・3463・5816

 ▽営業時間 火~土曜日17~24時、日曜&祝日 17~23時 月曜は定休日(祝日の場合は翌火曜日)

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