ブラジル戦のポイント ビニシウスにはオランダ戦のような対策を 強力な両センターバックには連係と連動で 福西崇史氏の分析

ブラジルのビニシウス(写真提供・共同通信社)
 2006年ドイツW杯1次リーグのブラジル戦で後半にチーム4点目を決めるロナウド(共同)
 ブラジル戦に向け調整する伊東(共同)
3枚

 サッカーのW杯北中米3カ国大会で、日本代表は29日(日本時間30日)の決勝トーナメント1回戦で、最多5度の優勝を誇るブラジルと対戦する。16強入りをかけて、森保ジャパンは「王国」に対してどのような戦いを挑むのか。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が、日本の戦い方やポイントなどについて語った。

 ◇   ◇   ◇

 ブラジルは決勝トーナメントになると、ギアを一段階上げてくる。まずは気持ちの面で、どのようなテンションで来るのか。そして個々の能力が高い分、日本はバランスを崩しても守らなくてはいけないところで、その後に修正ができるかがポイントになる。

 左のビニシウスを使ってくるので、日本はオランダ戦のような対策をしていけばいい。1対1では厳しいときに、1対2で守れた場面があった。左のハクポに対して堂安が引いて、久保と2人がかりでいった。相手の強みを抑えておくことが重要で、シミュレーションはできた。

 ビニシウスを止めるためには右サイドが鍵になる。3バックの右が見ていけると良く、2トップになってくれた方が日本にとっては楽だ。個で抑えるとなれば冨安は必要。ただ、左に張られたら、堂安が下がってこなくてはならない。その分、右サイドは厳しくなる。

 ブラジルは守備力も中盤の構成力も高い。日本はボールがあるところにアタックにいけるかどうか。それをかわされたときを考えてカバーにいけるか。カバーで動いてバランスが崩れたところを、またカバーして動き出せるか。そしてバランスが取れるか。集中力を研ぎ澄ませなくてはならない。

 マルキーニョスとガブリエルの両センターバックは強力だけに、連係と連動で突破したい。1人で1対1でキープしたり、ドリブルでの突破はかなり厳しい。2人は裏へのカバーも速いから、ワンタッチで落として次にもらう動きや、ワンタッチができるようにサポートする動きが大切になる。相手に取られてのカウンターが怖いから、距離感は常に意識しながら崩していかないといけない。サイドを崩せば2人の距離感は開くし、そこにうまく入り込む形を作りたい。

 シャドーの2人は前田か、伊東か。あるいはチュニジア戦のように鎌田をボランチから上げることも有りだ。そうなるとボランチは、スウェーデン戦を休ませた佐野が守備という点で必要になるし、調子のいい田中も捨てがたい。

 今大会のブラジルは、モロッコ戦はどうしたのか?というほど良くなかったが、力が少し落ちるハイチ、スコットランド戦では要所要所でしっかりとやっていた。調子を上げ始めたものの、コンビネーションやチームの状況、一体感となると、いつもの強いと言われていたブラジルとは違うと思う。まだまだ調子は上がっていない気がする。

 日本が付け入る隙は十分にある。対応しやすいリズム感だし、奪いどころでボールを取れる可能性はある。前からガンガンとは来ないから、日本は後ろでボールを持てるだろう。そのときにどう揺さぶり、どこから攻めて、どこを崩しにいくか、団結して狙っていくことだ。

 昨年10月の試合では逆転勝ちしたものの、ブラジルはGKやセンターバックの顔ぶれが異なる。日本は相手のリズムや、やり方を体感したことを生かしつつ、あのときとは違うチームだという危機感を持たなくてはならない。

 ヤマ場のブラジル戦。一発勝負なので、展開次第でPK戦に持ち込んでもいいと思う。同点の状況ならばリスクを負いすぎず、一方ではのみ込まれないように消極的になってはいけない。

 中4日で迎えるブラジルに対して、中3日の不利はかなりあるが、体力をうまく回復すること。かつてのようなブラジルへの怖さは感じていないはずで、それが今の日本の強さでもある。ブラジルの調子が良くないと言われている中で、倒すなら今がチャンスだろう。(デイリースポーツ評論家)

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