決勝トーナメント1回戦に進んだ日本代表は27日、米テネシー州ナッシュビル近郊で、29日正午(日本時間30日午前2時)のブラジル戦に向けて前半部分を非公開にして練習を行い、試合会場のテキサス州ヒューストンへ移動した。最多5度の優勝を誇るカナリア軍団との大一番へ、DF長友佑都(39)=FC東京=は「今の僕たちだったらブラジル相手でも全然倒せる自信がある」と豪語。報道陣に対して帰国便のキャンセルという異例の要望を出すなど、国民を“新しい景色”へ連れて行くことを約束した。
王国との決戦が迫り、39歳のベテランは「最高潮の最高潮」と高揚感を表現した。勝てば、初の決勝トーナメント1回戦突破。その相手は高く、大きい壁だが、長友は言い切った。
「ここ10年から20年で考えると、日本の方がよりレベルアップしている。強いブラジルに僕らが近づいてきた。今の僕たちだったらブラジル相手でも全然倒せるなという自信はある」
かつては手の届かない相手だった。ロナウジーニョらを擁した2006年ドイツ大会では、地力の差を見せつけられて1-4で敗戦。その後も黒星が続き、22年6月の親善試合で敗れるまで2分け11敗と一度も勝てなかった。
だが、昨年10月の国際親善試合で0-2の劣勢から後半に3点を奪い逆転勝利。ベンチから歓喜の瞬間を見ていた長友は「日本は攻守において確実にレベルアップしている。今のチームはそう簡単に崩れない」と自信の根拠を示す。
過信にはしない。待ち受けるのは本気のブラジルだ。日本戦において5戦9発の“日本キラー”で、国民的スターのネイマールが出場する可能性もある。「メッシ(アルゼンチン)じゃないけど、ネイマールのためとか、そういう団結力が出てきた時は非常に厄介」と警戒する。それでも「上回るだけの団結力が僕らにはある」と、精神的支柱としてチームをまとめてきた自負がある。
自身は過去、決勝トーナメント1回戦で3度はね返されてきた。10年、22年はPK戦の末、18年のベルギー戦は2点を先取しながら追いつかれ、最後は『ロストフの14秒』と呼ばれる超高速カウンターに沈んだ。あと一歩、何が足りなかったのか。「チームの意思統一の冷静さと、駆け引きでのずる賢さ」。5大会目の今なら答えははっきりと示せる。
試合開始は日本の深夜2時。夜更かしが必要となる時間だが、後悔はさせない。「日本中を忘れさせない一日にさせますよ。見ていてください」と“新しい景色”を約束。報道陣に向けても異例の要望を出した。
「ベスト32で終わるチームじゃない。皆さんも、残る準備をしといてもらわないと。帰りの飛行機を取っているんだったら、もう全部キャンセルで。絶対帰らせないです」
自身が5大会連続出場を果たした1次リーグ最終戦のスウェーデン戦後に「降りてきた」という“新名言”「マンマ・ミーア(なんてこった!)」。ブラジルを撃破した先に、全力の「マンマ・ミーア」を叫ぶ長友の姿がある。