「北中米W杯・1次リーグF組、日本代表1-1スウェーデン代表」(25日、ダラス)
1次リーグF組最終戦が行われ、日本はスウェーデンと1-1で引き分けて同組2位で3大会連続の決勝トーナメント進出を決めた。16強入りを懸けた1回戦は29日正午(日本時間30日午前2時)から最多5度の優勝を誇るブラジル(C組1位)と対戦する。昨年10月の親善試合では3-2と逆転勝ちし、14度目の対戦で初勝利。森保一監督(57)は「勝つチャンスはある」とW杯の大舞台でも“王国”の壁突破に自信を見せた。
試合終了の笛を聞いた選手たちに笑顔はない。それは落胆ではなく、覚悟の表れだ。終盤の猛攻をしのいで2位抜けを死守。決勝トーナメント1回戦の相手は王国ブラジルに決まり、森保監督は「本気のブラジルと戦えることを楽しみにしている」と腕をぶした。
1位抜けを狙いながら勝利を目指した。チュニジア戦からの先発変更は3人のみ。決勝トーナメントを見据え、主力を大胆に入れ替えることはしなかった。イサク、ヨケレスら世界トップクラスの攻撃陣に対して粘り強く守り、後半11分に先制。6分後に追いつかれたものの、最後まで勝ち越しは許さず。「3位の他力よりも全然いい結果」と、最低限の2位突破を自力でつかみとった。
昨年10月、ブラジルに歴史的初勝利を挙げたことは記憶に新しい。とはいえ親善試合。2-0とリードして迎えた後半のブラジルは気が抜けていたと、敵将のアンチェロッティ監督は嘆いていた。最多5度の優勝が示すように、W杯のブラジルはひと味もふた味も違う。
決戦へすでに伏線は張られている。主力の入れ替えが少なかった中、2試合連続フル出場だった佐野、チュニジア戦で圧巻のプレーを見せた冨安を出場させなかった。2人ともブラジルの3試合連続得点中のエース・ビニシウス(レアル・マドリード)と対峙(たいじ)する右寄りのポジションを取る。裏カードのオランダが勝利する可能性が高かったことも踏まえ、指揮官はブラジル戦を見据え温存させた可能性がある。
優勝を目指す上で、間違いなく最大級の難所となる。だが、選手たちはひるむどころか目を輝かせる。堂安は「ここからW杯が始まる。彼らにうざいなと思われるような試合をしたい」と意気込む。指揮官も「勝負の場では何が起こるか分からない。勝つチャンスはある」と話す。
ブラジルといえば、日本サッカー界の発展に大きく関わった元日本代表監督のジーコ氏の出身国。1978年から3大会連続でW杯に出場した同氏を「私のヒーローだった」と述懐した指揮官は、異国の先輩のバトンを受け継ぎ、敵として立ち向かう。「ブラジルと対戦する前に、ジーコさんに一回連絡を取れれば」。神様ゆかりのブラジルを倒し、新たな歴史を切り開く。