森保ジャパン【採点】新しい景色へ挑んだ死闘はPK負け 最高得点は攻守支えた3人
「カタールW杯・1回戦、日本代表1(PK1-3)1クロアチア代表」(5日、アルワクラ)
日本サッカー史上初のW杯8強を目指す日本は、クロアチアと対戦してPK戦の末に1-3で敗れた。前半43分にFW前田の得点で先制点を奪ったが後半10分、相手FWペリシッチに同点被弾。その後はきっ抗状態が続き、延長戦を含めた120分でも決着がつかなかった。
迎えたPK戦では日本が1人目のMF南野、2人目のMF三笘、4人目のDF吉田が失敗。クロアチアはFWリバヤが失敗したが、その他の3人が成功。死闘の末にクロアチアが準々決勝進出を決めた。
以下、出場選手の採点と寸評。
GK権田【6・0】:失点シーンは懸命に反応したが届かず。ただ、その他のシーンでは120分間集中を切らさずに対応。PK戦では、先行の日本が1本目で失敗したことで相手に余裕が生まれたこともあって見せ場は作れず。
DF冨安【6・5】:今大会4戦目にして、初めての先発。終始クオリティーの高さを見せた。戦術面を含めて日本を支えていた。
DF吉田【6・0】:集大成として臨んだW杯。タフな相手に対して120分間にわたって守備陣をオーガナイズした。最後のPK失敗は悔恨の一撃だったが、そこは責められない。
DF谷口【6・0】:出場停止の板倉に代わって3バックの一角でフル出場。開始早々のCKからチャンスを迎えるも、決めきれず。それでも守備面で持てる力を発揮した。
MF長友【6・0】:左ウイングで先発。積極的な上下動をしながら、固い内容の前半の戦いに貢献しながら、後半途中に交代。その後はベンチから声をからした。
MF伊東【6・5】:右ウイングで先発も状況とチームの顔ぶれに合わせて左サイド、右サイドと立ち位置を変えながらフル出場。最後まで日本の武器であっただけに、無念。
MF遠藤【7・0】:PK戦の末に敗れたとは言え、紛れも無く中盤でのバトル面でクロアチア相手に互角の戦いを演じたキーマンだった。120分間、強さを保ち続けチームを支えた。
MF守田【6・5】:ボランチの相方、遠藤とともにクロアチアの中盤と対峙(たいじ)。一歩も引かずに上下左右に動き回り、ガチガチの勝負を演じた。
MF鎌田【5・5】:1次リーグに比べてコンディション面の上昇が見られて、攻撃陣をけん引。ただ前半41分のビッグチャンスはせめて枠をとらえてほしかった。
MF堂安【6・5】:今大会のラッキーボーイはこれまでと同じく積極的にゴールを狙った。先制点の起点となるなど、持っている力を存分に発揮した。
MF三笘【7・0】:後半途中からピッチへ。直後のクロアチア守備陣の対応を見ると、どれだけ危険な存在として研究されてきたのかが分かった。最終盤では、ピッチ上で最も得点のにおいを感じさせる選手だった。誰がPK失敗を責められるだろうか。
MF酒井【6・0】:後半途中から、左太もも裏を痛めた初戦のドイツ戦以来の出場。右ウイングバックとして守備と攻撃に厚みを持たせた。
MF南野【5・5】:後半終了間際にピッチへ。得点こそ奪えなかったが、左サイドから積極的なチェイシングでチームに貢献。PK戦では甘いコースで痛恨の失敗を喫したが、1人目を蹴った彼の勇気を責めることはできない。
MF田中:延長後半開始からピッチへ。出場時間が短く採点不可。
FW前田【7・0】:衰え知らずのスプリントでクロアチアの最終ラインに圧力をかけ続けた。そして前半終了間際には先制点。安心の守備と攻撃での結果。われわれはこの前田大然を求めていた。
FW浅野【6・0】:後半途中から最前線へ。ドイツ戦の様にヒーローになるかと期待させたが、完全に固まった試合展開を打破できず。PK戦では2人連続失敗で迎えた3人目で登場して冷静に成功した。
森保監督【6・0】:試合途中にピッチ上での「変化」を武器に歴史的勝利を収めたドイツ、スペイン戦とは違い、3バックの布陣を「貫く」采配でまだ見ぬ境地へと勝負。PK戦で夢は敗れ去ったが、試合後に語ったように、新時代を見せてくれた日本代表を率いた。ただそれでもW杯8強の壁は、かくも厚い。(デイリースポーツ・デジタル編集部)